日野正晴

日野正晴氏は、1936年1月9日に宮城県仙台市で生まれました。東北大学法学部を卒業後、司法修習を経て検察官の道へ進み、大阪地方検察庁検事を皮切りに、法務省入国管理局審判課長、東京地方検察庁総務部副部長、公判部副部長などを歴任しました。その後、国際連合アジア極東犯罪防止研修所次長、同所長を勤め、国際的な舞台でも活躍しました。

1986年には法務省大臣官房審議官（刑事局担当）に就任、その後も最高検察庁検事、盛岡地方検察庁検事正、最高検察庁公安部長など、要職を歴任しました。1994年には法務総合研究所長に就任し、1996年には仙台高等検察庁検事長、1997年には名古屋高等検察庁検事長を務めました。

1998年、金融監督庁長官に就任し、2000年には初代金融庁長官となりました。金融庁長官時代には、未曾有の金融危機に直面し、銀行の国有化や公的資金の注入といった大胆な政策を断行し、金融システムの安定化に尽力しました。2001年に退官後は、金融庁顧問に就任し、弁護士として第一東京弁護士会に登録、日野正晴法律事務所を開設しました。

国際派検事としても知られ、国連犯罪防止会議には、1985年のミラノ会議、1990年のハバナ会議、1995年のカイロ会議に日本政府代表として出席しました。退官後も、2010年のサルバドール会議、2015年のドーハ会議に日本政府代表団特別顧問として参加しました。

退官後は弁護士として活動する傍ら、2002年には国際民商事法センター理事、投資と学習を普及・推進する会理事長に就任。2003年には駿河台大学教授、産業再生機構監査役も務めました。2004年には駿河台大学大学院法務研究科長、日本証券業協会理事、会計検査院懇話会委員に就任し、2005年には内閣府独占禁止法基本問題懇談会委員を務めました。2006年には初代法務省検察官特別任用審査会会長、駿河台大学理事、ジャスダック証券取引所監査役、かんぽ生命保険取締役・監査委員長、全国保証監査役などの要職を歴任しました。

2008年には国民生活センター特別顧問、フジタ取締役、2009年には東北大学理事、アジア刑政財団理事長、2010年には証券・金融商品あっせん相談センター理事長に就任。2013年には秋の叙勲で瑞宝大綬章を受章しています。2018年にはウェルス・マネジメント取締役を務めました。

その他にも、日本証券業協会特別顧問、財団法人アジア刑政財団理事、日米法学会理事を歴任。ジャスダック、住商リース、セブン銀行など、複数の企業の役員も務め、東北大学総長顧問も務めました。

著書としては、『不良債権処理と企業再建Q&A』、『ベーシック金融法』、『最新警備保障契約の解説』、『詳解金融商品取引法』、『集団投資スキームのための金融商品取引法Q&A 100』、『犯罪事実記載の実務 特別法犯』、『軽犯罪法－実務に役立つ判例百選－』などがあります。これらの著書は、法曹関係者や金融業界関係者にとって重要な文献となっています。

日野正晴氏は、検察官、金融庁長官、弁護士、学者として、日本の法曹界、金融界に多大な貢献を果たした人物であり、その幅広い知見と経験は、現在も多くの人々に影響を与えています。

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