日野資勝

日野資勝（ひのすけかつ）は、天正5年（1577年）に生まれ、寛永16年6月15日（1639年7月15日）に没した、戦国時代から江戸時代前期にかけての公家です。日野家第29代の当主であり、父は権大納言を務めた日野輝資、母は津守国繁の娘です。

資勝は慶長4年（1599年）に参議に任じられ、公家としてのキャリアをスタートさせました。その後、慶長16年（1611年）には権中納言、慶長19年（1614年）には正二位権大納言へと昇進し、朝廷内での地位を確立していきます。

後水尾天皇の譲位後、武家伝奏であった中院通村が幕府からの譴責を受け辞任すると、父である輝資が徳川家康に信任されていた関係から、寛永7年（1630年）に資勝がその後任として武家伝奏に就任しました。武家伝奏として、朝廷と幕府の間の連絡役、交渉役を担い、両者の関係が円滑に進むよう尽力しました。寛永16年（1639年）までその職を務め上げました。

資勝の日記である『資勝卿記』は、彼が武家伝奏を務めた約10年間の記録を含んでおり、江戸時代前期の朝廷と幕府の関係を知る上で非常に貴重な史料となっています。当時の政治情勢や朝廷内の様子、幕府とのやり取りなどが詳細に記されており、歴史研究において重要な情報源となっています。

また、文化人としても知られる資勝は、後水尾上皇が主催した立花会(華道)の重要なメンバーであり、当時流行した椿の栽培にも熱心に取り組みました。特に珍しい品種の「日野椿」を栽培したことで知られています。法名は涼源院です。家督は嫡男の日野光慶が継ぎました。

参考文献

熊倉功夫『寛永文化の研究』吉川弘文館 1988年
『日本人名大辞典』講談社 2001年

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