日鉄建材

日鉄建材株式会社の概要

日鉄建材株式会社（にってつけんざい、英: Nippon Steel Metal Products Co., Ltd.）は、日本国内で建築や土木分野に特化した鉄鋼製品を製造する企業です。この会社は、国際的にも名高い大手鉄鋼メーカーである日本製鉄の完全子会社として設立されました。

主要製品

日鉄建材の主力製品は、主に鋼板の加工品です。これには、建物の鉄骨に用いる軽量形鋼、床や屋根に使われるデッキプレート、さらには土木用の軽量鋼矢板やコルゲートパイプ、ガードレール、冷間ロール成形形鋼などが含まれます。また、建築物用に塗装された鋼板や、構造材として使用される電縫鋼管（角形鋼管）なども製造しています。日鉄建材は、これらの製品において2008年度の国内市場で第4位というシェアを持ち、工事現場で必要な仮設足場や照明柱に用いられる「スミポール」、さらにはシカと列車の衝突を防止するための「ユクリッド」といった専門的な製品も展開しています。

本社および製造拠点

日鉄建材の本社は東京都千代田区外神田に位置しています。また、全国の主要都市に支店を持ち、札幌、仙台、新潟、静岡、名古屋、大阪、高松、広島、福岡の10カ所に展開しています。製造拠点は、仙台製造所、野木製造所、大阪製造所、広畑製造所、戸畑工場、君津鋼板工場、君津プレスコラム工場、豊前ニッテックス工場の合計8か所です。各製造所はそれぞれ異なる特性を持ち、効率的な生産体制を構築しています。

沿革

日鉄建材株式会社の歴史は1917年に遡ります。富士製鋼株式会社が設立されたのがその始まりで、1934年以降は日本製鐵株式会社の関連会社として成長を遂げました。その後、1950年代には富士製鐵株式会社や中之島製鋼株式会社といった系列会社も成立し、数度にわたり社名変更や合併を重ねてきました。1973年に日鉄建材株式会社が設立され、2001年には川崎製造所が閉鎖されることとなりました。2016年には日鉄住金コラム株式会社を吸収合併し、2019年には親会社の商号変更に伴って現在の社名に変更されました。

不祥事

しかし、日鉄建材は安全面での課題を抱えています。2023年3月31日、君津プレスコラム工場において、鋼板加工中の男性がコンベアの間に挟まれ死亡するという事故が発生しました。この事故に関連して、労働安全衛生法違反の疑いが持たれ、現場責任者は書類送検される事態となりました。

グループ企業

日鉄建材は、株式会社ニッケンフェンスアンドメタルや株式会社ニッケンビルドなど、いくつかの関連会社を持ち、フェンスや金属型枠の販売、建設業界へのサービス提供を行っています。これらの企業はすべて日鉄建材の完全子会社として、その事業を支えています。

影響力とメディア出演

日鉄建材は、その技術力からテレビ番組にも取り上げられています。例えば、2012年には日経スペシャル『カンブリア宮殿』に出演し、災害時における鉄の技術の重要性が紹介されました。

日鉄建材株式会社は、半世紀以上にわたり日本の建設業界に貢献してきた企業であり、今後もさらなる発展が期待されています。

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