旧居留地・大丸前駅

旧居留地・大丸前駅：神戸の商業の中心地に佇む洗練された地下駅

神戸市営地下鉄海岸線に位置する旧居留地・大丸前駅（K02）は、神戸市中央区三宮町三丁目にあり、神戸の代表的な商業エリア、旧居留地の玄関口として機能しています。2001年7月7日の海岸線開業と同時に開業した同駅は、大丸神戸店と地下で直結しており、買い物客や観光客にとって非常に利便性の高い立地です。

駅の構造とデザイン

旧居留地・大丸前駅は、島式ホーム1面2線の地下駅です。コンコースと改札口は地下2階、プラットホームは地下3階に位置しています。地下通路を通じて、大丸神戸店、旧居留地、そして三宮駅方面へとアクセスすることができ、隣接する三宮・花時計前駅へも徒歩で容易に移動可能です。

駅のデザインコンセプトは「エキゾチックシティ」。旧居留地にある洋風建築をモチーフに、コンコース通路の壁面にはオーダーデザインが施され、独特の雰囲気を醸し出しています。グレーを基調とした色調は、訪れる人々の色彩を際立たせる効果があり、洗練された空間を演出しています。ホームの壁面には、地下に差し込む光の筋をドットで表現したデザインが採用され、芸術的な要素も加えられています。また、大丸神戸店への通路は、大理石調の大判タイルと色鮮やかな壁面照明で装飾され、高級感と華やかさを演出しています。壁面にはコルトンやウィンドウが設置され、商業施設への期待感を高める工夫も凝らされています。

アクセスと周辺環境

駅周辺には、駅名の由来にもなっている大丸神戸店をはじめ、元町通商店街、日本の三大中華街の一つである南京町、歴史的な建造物が立ち並ぶ旧居留地など、神戸を代表する商業地や観光地が集中しています。このため、旧居留地・大丸前駅は、観光客だけでなく、地元住民にとっても重要な交通拠点となっています。

駅周辺には、JR元町駅、阪神元町駅なども比較的近く、複数の鉄道線との乗り換えも可能です。また、神戸市バスや神姫バスのバス路線も利用でき、周辺地域へのアクセスも良好です。タクシー乗り場も駅近くに設置されています。

利用状況と歴史

2022年度の1日平均乗車人員は約1,713人です。開業当初は利用客数が増加傾向にありましたが、その後は減少傾向に転じ、開業時の乗車人員を下回っています。計画時の予測乗車人員には遠く及んでいませんが、それでも周辺地域の商業や観光の活性化に貢献していると言えるでしょう。

建設当初は「元町駅」という仮称が用いられていました。海岸線各駅には、開業を記念して神戸市が募集した2000年生まれの赤ちゃんの「手形・足形タイル」が飾られており、旧居留地・大丸前駅には、韓国の男性アイドルグループTREASUREのヨシ（金本芳典）さんの手形足形が展示されています。

2016年3月26日にJR北海道石北本線の旧白滝駅が廃止されたことにより、日本の駅名において「旧」が付く唯一の駅となりました。

隣の駅

三宮・花時計前駅（K01）
みなと元町駅（K03）

旧居留地・大丸前駅は、その立地とデザイン、そして周辺環境から、神戸の代表的な駅の一つとして、今後も多くの利用客に親しまれていくことでしょう。

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