旧山内家下屋敷長屋

旧山内家下屋敷長屋について

旧山内家下屋敷長屋（きゅうやまうちけしもやしきながや）は、高知県高知市に存在した歴史的な建物で、重要文化財として認識されています。この長屋は、山内家の下屋敷内に位置しており、通称として「散田邸」とも呼ばれています。現在は一般の観覧に供されている展示館として利用されています。

歴史的背景

歴史をさかのぼると、旧山内家下屋敷長屋は、幕末の元治元年（1866年）に、土佐藩15代藩主である山内容堂によって建設されたことがわかります。この長屋は、南御屋敷として知られる下屋敷の一部として建てられました。ここには、先代からの侍屋敷を再編成し、足軽たちが宿泊するために設置されたとされます。

その後、明治時代に入ると、下屋敷は拡張され、山内家の本邸として使われました。しかし戦後には売却され、その土地には現在、ホテル三翠園が立地しています。今日では、旧山内家下屋敷長屋の他に、当時の門や物見亭も現存しています。

物見亭は特に有名で、慶応3年（1867年）には、山内容堂と西郷隆盛が会見する場となりました。この長屋は、ホテル三翠園の外構の一部として保存されており、1978年には高知市に譲渡されました。また、ホテルに隣接する鷹匠公園とパーキングは、かつて山内南屋敷があった場所に当たります。

展示内容

旧山内家下屋敷長屋では、1階には5つの部屋と土間があり、さまざまな展示が行われています。ここには春木南溟筆による山水屏風や、能茶山焼の花筒などが展示されています。また、幕末から明治時代にかけての家具や民具も見ることができます。

さらに、2階には特別展示室があり、土佐藩の船「夕顔丸」の模型や、土佐にゆかりのある40名の人物を紹介するパネルも設置されています。これにより、訪れる人々は土佐藩の歴史や文化について深く学ぶことができます。

施設利用情報

旧山内家下屋敷長屋の入館は無料で、休館日は毎年12月26日から1月1日までです。開館時間は、午前9時から午後5時までとなっています。

建築概要

この長屋は1864年に起工し、1866年に竣工を迎えました。建物は木造の2階建てで、総延長は約33メートルあり、入母屋造りで設計されています。1979年には国の重要文化財として指定される重要な建物となりました。

アクセスと周辺情報

交通アクセスは、土佐電鉄の県庁前停留場から徒歩わずか2分の距離です。また、周辺には高知城や鏡川、筆山公園（歴代山内家のお墓）や山内神社、土佐山内家宝物資料館、高知市立龍馬の生まれた町記念館など、多くの観光スポットが点在しています。

以上が、旧山内家下屋敷長屋の概要および魅力についての説明です。歴史的な価値を持つこの建物を訪れる際には、ぜひじっくりとその魅力を味わってみてください。

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