旧軽井沢駅

旧軽井沢駅は、かつて長野県北佐久郡軽井沢町に位置していた草軽電気鉄道の鉄道駅で、現在はその役目を終え廃駅となっています。この駅の特筆すべき点は、同一名称でありながら初代と2代目の二つの異なる駅が存在していたことです。さらに、初代の駅と、後に2代目となる旧道駅（きゅうどうえき）と名乗っていた駅が、一時的に約200メートルの短い距離で並んで営業していたという、珍しい歴史を持っています。

初代旧軽井沢駅の歩み

初代の旧軽井沢駅は、1915年（大正4年）7月22日に草津軽便鉄道によって開設されました。これは、新軽井沢駅から小瀬（現在の小瀬温泉周辺）までの区間が開業した際に設けられた停車駅です。その後、1924年（大正13年）2月15日には、運営会社が草津電気鉄道へと名称を変更し、当駅も同社の駅となりました。初代駅の廃止時期は正確には記録されていませんが、昭和12年頃には営業を終了し、廃駅になったと推定されています。

2代目旧軽井沢駅の歩み（旧道駅より改称）

一方、2代目の旧軽井沢駅は、最初からその名称で開業したわけではありません。この駅は、1932年（昭和7年）6月3日に草津電気鉄道の旧道駅として開業しました。開業後に旧道駅から旧軽井沢駅へと改称されたとされていますが、その具体的な時期は明らかになっていません。運営会社は、1939年（昭和14年）4月28日に草軽電気鉄道へと再び社名を変更しており、当駅もその路線の駅となりました。2代目の旧軽井沢駅は、草軽電気鉄道の新軽井沢駅から上州三原駅までの区間が廃止されたことに伴い、1960年（昭和35年）4月25日をもって廃止されました。

初代と2代目の旧軽井沢駅、そして2代目の前身である旧道駅という名称の変遷と、初代駅と旧道駅が一時的に併存していたという歴史は、草軽電気鉄道の複雑な経緯を物語っています。

駅周辺の現在

2代目の旧軽井沢駅が位置していた駅前広場は、現在「旧軽井沢ロータリー」として整備されています。このロータリーを中心に、長野県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線（通称：三笠通り）や、軽井沢を代表する観光スポットである旧軽井沢メインストリートが伸びており、多くの観光客が行き交う賑やかなエリアとなっています。

駅跡地の利用

2代目の旧軽井沢駅があった場所は、現在、お土産店として利用されています。店舗名は「草軽交通駅舎旧軽井沢」とされており、かつての駅舎があった場所であることを示唆しています。この店舗では、軽井沢を訪れた記念となる様々なお土産品が販売されており、多くの観光客が立ち寄る場所となっています。

隣接していた駅

草軽電気鉄道線において、2代目の旧軽井沢駅に隣接していた駅は以下の通りです。

• - 新軽井沢駅 - 旧軽井沢駅 - 三笠駅

旧軽井沢駅は、廃駅となった現在も、その跡地がお土産店として利用されるなど、軽井沢の歴史の一コマとしてその名残をとどめています。

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