旧長崎税関下り松派出所

旧長崎税関下り松派出所について

旧長崎税関下り松派出所は、長崎県長崎市にある歴史的な建造物で、国の重要文化財に指定されています。この建物は、1898年（明治31年）に長崎税関の派出所として建てられた、煉[[瓦]]造りの平屋建ての擬洋風建築です。

建物の特徴

建物は北側（海側）を正面としており、寄棟造の瓦葺き屋根が特徴です。正面は左右対称で、中央にはアーチ形の出入口が2つあります。両端部はやや前方に突出しており、ペディメント（三角破風）が設けられています。ペディメントは東側面の後方にも見られます。内部は、中央が検査場、西側（正面から見て右側）が倉庫、東側が事務室として使われていました。外壁は、腰から下は煉[[瓦]]積みが見えるように仕上げられ、上部はモルタル塗りで仕上げられています。また、建物の後方には便所が別棟として建てられており、渡り廊下で繋がっています。

文化財としての価値

この建物は、明治時代の税関施設の貴重な遺構として、建物とともに土地も重要文化財に指定されています。便所と煉[[瓦]]塀2棟も附指定となっています。過去には部分的な保存修理が行われていましたが、1990年（平成2年）に国の重要文化財に指定された後、1998年（平成10年）から2002年（平成14年）にかけて、大規模な半解体修理が実施されました。この修理によって、竣工時の姿への復元が行われています。

長崎市べっ甲工芸館として

2002年（平成14年）4月からは、「長崎市べっ甲工芸館」として一般公開されています。ここでは、社団法人日本べっ甲協会から寄贈されたべっ甲工芸品や、税関に関する資料が展示されています。

利用情報

開館時間: 午前9時から午後5時まで
休館日: 12月29日から1月3日まで

交通アクセス

長崎電気軌道 大浦海岸通停留場から徒歩2分

周辺情報

周辺には、旧長崎英国領事館など、他の歴史的な観光スポットもあります。

参考文献

「新指定の重要文化財」『月刊文化財』319号、第一法規、1990、pp.26 - 28
長崎市べっ甲工芸館（2012年1月27日確認）
旧長崎税関下り松派出所 文化遺産オンライン（2012年1月27日確認）
旧長崎税関下り松派出所（2012年1月27日確認）
旧長崎税関下り松派出所（長崎市）（2014年3月18日確認）
文化財建造物保存技術協会編『重要文化財旧長崎税関下り松派出所保存修理工事報告書』　長崎市、H14.3

旧長崎税関下り松派出所は、その歴史的価値と美しい建築様式から、長崎を訪れる観光客にとって必見のスポットとなっています。

もう一度検索