早嶋喜一

早嶋 喜一の生涯と業績

早嶋喜一（はやしま きいち、1900年12月28日 - 1966年2月4日）は、日本の実業界において大きな影響を与えた人物です。彼は産業経済新聞社の社長を務め、また旭屋書店の創業者として広く認知されています。さらに、戦後には産経学園の理事長としても教育分野に貢献しました。

出身と学業

岡山県津山市で生まれた早嶋は、津山中学校を経て早稲田大学に進学しましたが、学業を続けることなく中退しました。以降、彼は様々な職に就きながら経験を重ねていきます。特に、1924年に前田久吉が経営していた南大阪新聞社に入社したことで、彼の実業家としてのキャリアが始まります。

新聞業界でのキャリア

南大阪新聞社では、早嶋は前田が主導する『南大阪新聞』や『日本工業新聞』の事業拡張に関与しましたが、第二次世界大戦中の新聞統制によって多くの新聞社が合併することとなります。その結果、早嶋は大阪新聞の専務と産業経済新聞の社長という二つの重要な役職を務めることとなります。この時期の彼の働きは、戦況の厳しい中でも新聞事業を維持拡大するなかで重要な役割を果たしました。

戦後の構築と書店経営

1947年、早嶋は公職追放に遭い、大阪新聞や産業経済新聞の役職を辞することとなりますが、この困難な時期を乗り越えて、彼は大阪市北区で開業していた雑貨・化粧品販売店「旭屋商店」を、書籍販売に特化した「旭屋書店」として再スタートさせます。1949年には公職追放が解除され、再び彼は業界での活動を再開します。1950年には産業会館ビルの専務取締役に就任し、さらに東京の大手町に日本初のカルチャースクールである「産経学園」を開設。これにより、彼は教育面でも社会に貢献しました。

東京進出と晩年

旭屋書店は1965年11月に銀座に東京進出を果たしましたが、1966年に発生した全日空羽田沖墜落事故により早嶋は生涯を閉じます。彼の業績は多くの人々に影響を与え、書店や文化施設としての成長を支えたことは評価されています。

その後の発展

早嶋の死後、旭屋書店は2019年にTSUTAYAの子会社になり、さらに産経学園も次第に別の企業に売却され、全国にカルチャースクールを展開する事業となりました。これらの活動は早嶋の時代から受け継がれるものであり、文化と教育の発展に寄与していくことでしょう。

著書

早嶋喜一の回顧をまとめた著書『風雪有情—早嶋喜一回顧録』は、1968年に刊行され、彼の生涯や業績について深い洞察を与えています。この書は早嶋の理念や思いを知るための貴重な資料となっています。

彼の生涯は、社会の変革期における実業家の役割や、持続可能な発展の重要性を教えてくれるものです。

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