早川崇

早川 崇の政治家としての歩み

早川崇（はやかわ たかし、1916年8月21日 - 1982年12月7日）は、日本の著名な政治家であり、自由民主党の衆議院議員を務めました。彼は自治大臣、国家公安委員会委員長、労働大臣、厚生大臣といった数々の要職を歴任し、その政歴は波乱に満ちています。

生い立ちと教育

早川は和歌山県田辺市で生まれ、旧制和歌山県立田辺中学校では学びました。さらに第三高等学校文科甲類を経て、1941年には東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。この東大時代には、後の首相となる中曽根康弘や、厚生大臣を務めた小沢辰男などと同じ時代を過ごし、これが彼の政治活動に影響を与えました。卒業後は内務省に入省し、その後は戦争激化に伴い海軍へ志願し、海軍主計科士官としての経験を積みました。

政治家への道

早川は1946年の第22回衆議院選挙に無所属で立候補し見事当選しました。この頃、彼は国民党の結成に参加し、その後は国民協同党や社会革新党の結党に関与します。1955年には日本民主党から出馬し、衆議院への復帰を果たしました。1953年の総選挙では一度落選したものの、その後も精力的に活動を続け、同年11月には自由民主党の結党にも関わりました。

大臣としての活躍

早川は1963年に第2次池田第3次改造内閣で自治大臣兼国家公安委員会委員長として初入閣を果たします。しかし、1964年にライシャワー大使が襲撃を受けた事件の責任を取って辞任することになりました。彼の政界でのリーダーシップは、玉置和郎を秘書官に起用したことからも伺えます。

その後、早川は1966年に労働大臣として再入閣しました。この時期、彼は佐藤栄作と福田赳夫の影響を受け、政界内での地位を確立していきます。1972年には自民党総裁選で福田を支持したあとの派閥対立に苦しむことになりますが、1974年には厚生大臣として三木内閣に参与しました。

学問と著作への情熱

早川は学究肌の政治家であり、特にイギリスの政治などについて多くの著作や翻訳を残しました。『新保守主義の政治哲学』や『祖国への反省』など、彼の著作は日本の政治思想に貢献しています。さらに、バングラデシュとの友好関係を築いた日本バングラデシュ協会の会長としても努力を惜しみませんでした。

最晩年と評価

早川は1982年に亜細亜大学の学長に就任し、その年の12月に急逝しました。66歳という早き死を迎えた彼は、通算14期にわたって衆議院議員を務めました。彼に与えられた栄典には、正三位及び勲一等旭日大綬章が含まれるなど、その功績は高く評価されました。

早川崇の人生は、政治的な実績だけでなく、学問への情熱と社会貢献の姿勢が強く表れたものでした。彼の業績は、歴史の中で今なお多くの人々に影響を与えています。

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