玉置和郎

玉置 和郎（たまき かずお）

玉置和郎は、1923年1月1日に和歌山県御坊市で生まれ、1987年1月25日に亡くなった日本の政治家です。彼は参議院や衆議院の議員として活躍し、総務庁長官をも務めました。

来歴と業績

彼は五人兄弟の三男として生まれましたが、中学入学直前に父親を失い、特に困難な幼少期を過ごしました。御坊商業学校（現・和歌山県立紀央館高等学校）を卒業した後、1941年に中国大陸へ渡り、北京中央鉄路学院で学びました。在学中の1943年に満鉄に入社し、終戦後は製塩業やゴム工場など、さまざまな職に従事しました。その後、上京して自由民主党本部で職員となり、早川崇議員の秘書官を務めました。

1965年には自民党公認で第7回参議院議員通常選挙に立候補し、見事当選しました。1966年には拓殖大学大学院を修了し、以後、参議院において3回の当選を果たしました。彼は自民党の総務や参議院行政改革委員長、農林政務次官を歴任し、1973年には青嵐会の結成に参加しました。彼はこの会の中でも特に目立つ存在となり、「参院のドン」と称されるほどの影響力を誇りました。

また、1977年には宗教政治研究会を設立しました。これは、政治家が宗教団体を利用して選挙戦での支持を得ようとした初期の例とされています。彼は強力な組織を築くことで、参議院自民党の実力者としての地位を確立しました。

1980年、米国のカーター大統領が提唱したモスクワオリンピックボイコットの問題では、日本の参加を中止すべきとの立場を表明しました。この際、選手の涙を引き合いに出して、「もっと国の防衛で涙を流せ」と発言し、注目を浴びました。

1983年の第37回衆議院議員総選挙では、亡くなった早川崇の後継として衆議院に当選しました。彼は、早速「玉置グループ」を結成しようとしましたが、思うようには行かず、後に中曽根康弘との関係を深めるようになります。中曽根も玉置を重用し、金丸信からも信頼を寄せられました。

1986年、玉置は第3次中曽根内閣の総務庁長官に就任しました。彼はこれまでの慣習を打破し、ODAの行政監察や農協監察の実施を推進しました。彼はがんに苦しみながらも、大嘗祭が伝統に則って行われるべきだと訴える文書を中曽根首相に提出しました。

1987年1月25日、彼は肝不全により64歳で死去しました。その死は、日本の政治における大きな出来事となり、長官在任中の現職閣僚の死は11年ぶりのことでした。彼の元秘書には村上正邦や大江康弘など、後に著名な政治家となった人物が多く名を連ねています。

所属団体

玉置は、東日本実業団空手道連盟の第3代会長を務めるなど、政治以外の領域でも積極的な活動を展開しました。

関連項目

• - 生長の家
• - 早川崇
• - 村上正邦
• - 大江康弘
• - 伊藤惇夫（政治評論家、元自民党職員）
• - 浮島敏男（前衆議院議員）
• - 近江屋信広（元自由民主党総裁・幹事長室長）
• - 御法川英文（元衆議院議員）
• - 山崎広太郎（元福岡市長）
• - 田村重信（自由民主党政務調査会調査役）
• - 山口光一（元参議院議員）
• - 奥島貞雄（元幹事長室長）
• - 久米晃（選挙アドバイザー）
• - 元宿仁（自民党事務総長）

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