早稲田高等工学校

早稲田高等工学校の歴史

早稲田高等工学校（わせだこうとうこうがっこう）は、昭和初期に東京都に存在した私立の各種学校で、特に工業技術の教育に特化していました。1930年代から50年代初頭にかけて、多くの勤労青年や中等教育を修了した学生に対して専門的な技術教育を提供し、社会の発展に寄与してきました。

設立と背景

1928年に財団法人早稲田大学により設立されたこの学校は、専門学校としての高等教育を目的とし、夜間のみ開校していました。設立当初から中学校や工業学校、早稲田工手学校の卒業生が入学資格を有し、専門的なスキルを身につけることが求められました。しかし、専門学校令に基づく正式な認可は得ず、各種学校という位置付けであるものの、実質的には高等工業学校に匹敵するカリキュラムが整っており、多くの卒業生がその後のキャリアに活用できる資格を持つことができました。

教育の変遷

早稲田高等工学校は設立以来、数回にわたり教育課程を改正してきました。1935年には修業年限が延長され、1939年にはさらに修業年限を3年制に変更しました。新しい学科として応用化学科が1940年に設立され、その後も航空機科や電気通信科など専門性の高い科目が次々と新設されていきました。これにより、学校は戦後の技術革新に対応する人材を育てる機関としての役割を果たしました。

運営と廃校

戦争が終わると、学校は新制早稲田大学の一部として新たな門戸を開く一方で、旧制の体制に苦しむ時代もありました。1945年には新たに専門学校への昇格を目指しましたが、文部省からの認可は得られませんでした。その結果、学制改革に伴い1951年に早稲田高等工学校は他の教育機関とともに廃校となります。

卒業生たち

学校からは多くの著名な卒業生が誕生しました。建築家や市長、衆議院議員として活躍した人々が多く、特に石井修や伊藤三郎、今泉善一などはそれぞれの分野で大きな影響を与えています。また、俳優の古田俊彦や大坂志郎、政治活動家の文鮮明などもこの学校の卒業生です。

まとめ

早稲田高等工学校は、昭和の日本における専門教育の一環として、工業技術を学ぶ多くの学生に貴重な機会を提供しました。その教育内容と校風は時代を超え、多くの卒業生に影響を与えました。学校の歴史を振り返ることで、当時の教育の重要性と社会に及ぼした影響を理解することができるでしょう。

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