早雲寺

早雲寺：後北条氏ゆかりの古刹

早雲寺は、神奈川県足柄下郡箱根町湯本に位置する臨済宗大徳寺派の寺院です。金湯山と号し、本尊は釈迦如来を祀っています。境内には、後北条氏五代の墓や連歌師・宗祇の碑があり、歴史を感じさせる佇まいを見せています。

歴史

早雲寺は、大永元年（1521年）に北条早雲（伊勢盛時）の遺言により、その子である北条氏綱が京都大徳寺の以天宗清を招いて創建されたと伝えられています。しかし、創建年次については異説も存在し、岩崎宗純は、宗清が韮山の香山寺にいた永正年間に、早雲の依頼で湯本に「早雲庵」という前身寺院を建立したのが事実上の創建であるという説を唱えています。一方、黒田基樹は、早雲寺の創建を大永元年とする寺伝自体が江戸時代の創作であるとし、早雲寺に湯本の門前町が寄進された年代不明の氏綱発給文書の花押形から、創建を享禄・天文年間であったとする説を唱えています。

天正18年（1590年）の小田原征伐では、豊臣秀吉軍の本営が一時的に置かれましたが、石垣山城の完成後、寺を含む一帯は焼き払われました。北条氏の庇護を失い荒廃しましたが、寛永4年（1627年）に僧・菊径宗存により再建され、慶安元年（1648年）には3代将軍徳川家光から朱印状を与えられ復興しました。

境内

境内には、北条幻庵が作庭したと伝わる庭園があります。

文化財

早雲寺は、多くの文化財を所蔵しています。

重要文化財

絹本淡彩北条早雲像
織物張文台及硯箱（伝北条氏政所用） - 現在は東京国立博物館に寄託されています。

神奈川県指定重要文化財

絹本著色北条氏康画像
室町期の肖像画で、氏康が折烏帽子、白地に鶴亀模様の直垂姿で描かれています。没後まもなく製作されたと考えられています。
紙本著色北條氏綱像
桃山時代の肖像画です。
紙本墨画羅漢図
紙本墨画早雲寺本堂襖絵
紙本著色枇杷小禽図
紙本墨画淡彩機婦図
梵鐘

箱根町指定文化財

本堂
惣門
鐘楼

早雲寺は、戦国時代の歴史を今に伝える貴重な文化遺産であり、訪れる人々に歴史の重みを感じさせる場所です。箱根を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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