石垣山城

石垣山城（一夜城）とは

石垣山城は、神奈川県小田原市早川に位置する城跡で、別名「石垣山一夜城」または「太閤一夜城」とも呼ばれています。豊臣秀吉が天正18年（1590年）の小田原征伐の際に、小田原北条氏を屈服させるために築いた陣城です。標高261.9mの石垣山に築かれ、東西270m、南北550mに及ぶ広大な территорииを誇ります。

築城の背景と伝説

天正18年（1590年）、秀吉は小田原城を包囲し、長期戦に備えました。その際、小田原城を見下ろす石垣山に城を築くことを発案。築城中は小田原城から見えないように工事を進め、完成後に周囲の木を伐採したため、北条氏側には一夜にして城が完成したかのように見えたという逸話が残っています。これが「一夜城」の由来です。

ただし、実際には築城の様子は小田原城からも見えていた可能性があり、秀吉が北条氏を心理的に揺さぶるために、あえて見せていたという説もあります。

特徴

石垣山城は、石垣や櫓を備えた本格的な近世城郭であり、関東で最初に造られた総石垣の城として知られています。約3〜4万人を動員し、わずか80日間で築城されました。天守台跡からは、高層の天守が存在したと推測されており、現存する犬山城や丸岡城に近い形式であったと考えられています。

歴史的出来事

秀吉は石垣山城で茶会を開き、後陽成天皇の勅使を迎えました。また、伊達政宗が秀吉に謁見した場所でもあり、徳川家康に関東移封を伝えた場所であるという説も存在します。これらのエピソードからも、石垣山城が当時の политической и военной中心であったことが伺えます。

近代以降

大正12年（1923年）の関東大震災で石垣に大きな被害を受けましたが、井戸曲輪の石垣は現在も良好な状態で残っています。昭和34年（1959年）には、北曲輪と出曲輪を除く区域が国の史跡に指定され、平成2年（1990年）には石垣山一夜城歴史公園として一般開放されました。

平成元年（1989年）からの発掘調査では、「辛卯八月日」天正19年（1591年）の銘が入った瓦が発見され、小田原落城後も城の建設が継続されていたことが明らかになっています。

アクセス

石垣山城跡（石垣山一夜城歴史公園）へは、JR東海道本線早川駅または小田急箱根鉄道線（箱根登山電車）箱根板橋駅からタクシーで約10分です。徒歩の場合は、早川駅や箱根登山鉄道入生田駅からもアクセスできますが、数十分かかります。

まとめ

石垣山城は、豊臣秀吉の小田原征伐における重要な拠点であり、一夜城の伝説や関東初の総石垣の城としての特徴を持つ、歴史的に非常に価値の高い城跡です。歴史公園として整備されており、当時の面影を感じながら散策を楽しむことができます。

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