旬報社

旬報社について

旬報社（じゅんぽうしゃ）は、東京都新宿区に本社を置く出版社です。労働問題に関する書籍出版からスタートし、現在では環境、教育、福祉、政治・社会問題、生活実用書、児童書など、幅広い分野で出版活動を行っています。特に労働法分野においては、専門誌『労働法律旬報』が長年にわたり信頼を得ています。

歴史

1949年、労働者の権利擁護と労働組合運動の発展を目的として、労働判例を紹介・解説する雑誌『労働法律旬報』の刊行とともに、労働法律旬報社が設立されました。この創刊当初の精神は、現在も旬報社の出版活動の根幹をなしています。

1961年には「労働旬報社」に社名を変更し、1963年に株式会社として登記されました。この頃から、労働問題だけでなく、平和や人権、教育問題に関する単行本の企画にも力を入れ始めました。1969年には『どぶ川学級』、1976年には『沼田稲次郎著作集』（全10巻）、1978年にはテレビ・映画化もされた『教育は死なず』など、社会的に大きな反響を呼ぶ作品を刊行しています。

1984年に文京区目白台に移転し、1986年には法政大学大原[[社会問題研究所]]編『社会・労働運動大年表』を刊行。その後、保育・福祉分野にも出版領域を拡大し、1987年には『保育幼児教育大系』、1989年には『社会保障・社会福祉事典』を刊行しました。1991年からは、戦後労働裁判の集大成として全20巻に及ぶ『労働判例大系』を刊行しています。

1997年には、社名を現在の「旬報社」に改めました。この頃から、生活・健康・福祉など、より生活に密着した分野の企画にも力を入れています。1996年には自由法曹団編『くらしの法律相談ハンドブック』、1997年にはNHK編『すこやかシルバー介護』シリーズ、1998年には生活実用書「まんぼう」シリーズ、2000年には「朝日カルチャー講座」シリーズを刊行しました。

社会問題に関しては、1999年に大原社会問題研究所編『日本の労働組合100年』、2005年には同研究所編『日本労働運動資料集成』（全14巻）を刊行。2001年には現代日本社会を分析する雑誌として『ポリティーク』の刊行を開始しました。

環境問題にも早くから取り組み、1992年刊行の『環境教育事典』をはじめ、2000年には『大系環境・公害判例』（全9巻）、2002年には『環境問題資料集成』（全15巻）、2008年には『環境事典』を刊行しています。

2009年には創立60周年を迎え、『新版 社会保障・社会福祉判例大系（全4冊）』『特別支援教育大辞典』を刊行。さらに、旬報社60周年・大原社会問題研究所90周年企画として『社会労働大辞典』を刊行しました。

2012年には、多摩川の生態系汚染をテーマとした『タマゾン川』が第60回産経児童出版文化賞大賞を受賞。2013年からは、日本ワークルール検定協会と協力し、ワークルール検定のテキストと問題集の刊行も行っています。

2016年には第13回出版梓会新聞社学芸文化賞を受賞し、2017年5月には本社を東京都新宿区早稲田鶴巻町に移転しました。

2019年に創立70周年を迎え、記念企画として『新 世界の社会福祉』（全12巻）を刊行。2022年には沖縄の本土復帰を記念した『日本復帰50年 増補 資料沖縄問題』、および『渡辺治著作集』（全16巻）の刊行を開始しました。

主な刊行物

大型企画刊行物

『社会保障・社会福祉事典』（1989年）
『環境教育事典』（1992年）
『日本の労働組合100年』（1999年）
『大系環境・公害判例』（全9巻、2001年）
『環境問題資料集成』（全15巻、2003年）
『労働判例大系』（全20巻、2004年）
『日本労働運動資料集成』（全14巻、2007年）
『環境事典』（2008年）
『最新 くらしの法律相談ハンドブック』（2011年）
『社会労働大事典』（2011年）
『憲法改正問題資料集』（全２巻）
『労働法実務解説』（全12巻）
『新世界の社会福祉』（全12巻、2019〜2020年）
『渡辺治著作集』（全16巻、2022年〜）
『日本復帰50年 増補 資料沖縄問題』（全１巻、2022年）
『佐高信 評伝選』（全７巻、2022年〜）

定期刊行物

『労働法律旬報』（半月刊）
『賃金と社会保障』（半月刊）
『教育』（月刊）
『社会教育』（月刊）
『人間と教育』（季刊）
『ワークルール検定初級テキスト』
『ワークルール検定中級テキスト』
『ワークルール検定問題集』
『労働六法』（毎年刊）
『日本労働年鑑』（毎年刊）
* 『世界の社会福祉年鑑』（毎年刊）

旬報社の理念

旬報社は、「良心的なジャーナリズムの一員として、出版物をとおして社会の進歩に寄与する」ことを基本理念としています。労働問題だけでなく、社会の様々な課題に対して、幅広い視点から情報を提供し、社会の発展に貢献することを目指しています。

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