旭南海丈一郎

旭南海 丈一郎（きょくなんかい じょういちろう）

1977年12月14日生まれ、鹿児島県大島郡天城町出身の元大相撲力士です。本名は健 博一（けん ひろかず）。愛称はケン。身長180cm、体重142kg、血液型はA型。大島部屋に所属していました。

力士としての経歴

1992年、同郷の徳之島出身である旭道山が大島部屋へスカウトに来た際、自ら入門を志願。中学卒業と同時に大島部屋に入門し、1993年3月場所に初土俵を踏みました。1995年11月場所に三段目へ昇進し、1999年11月場所には幕下へ昇進。しかし、その後5年以上にわたり幕下中位から下位に低迷しました。

2005年3月場所、東幕下9枚目の位置で6勝1敗の好成績を挙げ、優勝決定戦に進出。7人による優勝決定戦を制し、初の幕下優勝を果たしました。翌5月場所でも東幕下2枚目の位置で6勝1敗と勝ち越し、同年7月場所で新十両へ昇進。幕下生活が長かったため、関取を諦めかけていた時期もありましたが、戦後最年長で新十両昇進を果たした出羽の郷の存在が励みになったと言います。

自己最高位となる西十両6枚目で迎えた2006年3月場所では、自身初の二桁勝利となる10勝5敗の好成績を挙げました。翌5月場所では西十両2枚目まで番付を上げましたが、4勝11敗と大敗し、新入幕はなりませんでした。2007年11月場所では西十両13枚目で6勝9敗と負け越し、翌2008年1月場所で幕下へ陥落。しかし、同年3月場所で十両へ復帰し、以降は幕下に陥落することなく、主に十両中位から下位に定着しました。

2010年7月場所では西十両12枚目の位置で10勝5敗の成績を挙げ、通常ならば幕内へは昇進できない位置と成績でしたが、大相撲野球賭博問題の影響で多数の謹慎休場者が出たことにより幕内の枠が9つ空いたため、番付を一気に上げて翌9月場所において新入幕を果たしました。初土俵から所要105場所での新入幕は、同じ鹿児島県出身の星岩涛に次ぐ史上2位のスロー記録となりました。

しかし、その9月場所では4勝11敗と大敗し、1場所で十両へ陥落。結果的に、この9月場所が本人にとって唯一の幕内在位場所となりました。

引退

2011年の大相撲八百長問題では、22代竹縄親方（元幕内・春日錦）と恵那司とのEメールの内容に名前が挙がりました。その後の特別調査委員会の調査により、同年4月1日に日本相撲協会から引退勧告を受けました。本人は八百長への関与を否定したものの、処分されても日本相撲協会を相手に訴訟は起こさない意向を示し、同年4月5日に引退届を提出して受理されました。

引退後の同年4月28日には、アントニオ猪木の招待を受けてイノキ・ゲノム・フェデレーション（IGF）『GENOME15』の観戦に訪れました。引退直後にはプロレスへの参戦を示唆していましたが、最終的には妻の実家のある福岡に引っ越すことを表明し、その後の動向は明らかになっていません。

主な成績

通算成績: 512勝493敗9休 勝率.509
幕内成績: 4勝11敗 勝率.267
十両成績: 233勝245敗2休 勝率.487
現役在位: 108場所
幕内在位: 1場所
十両在位: 32場所
各段優勝: 幕下優勝1回（2005年3月場所）

改名歴

健 博一（けん ひろかず）：1993年3月場所-1995年3月場所
旭南海 博一（きょくなんかい -）：1995年5月場所-2003年9月場所
旭南海 𠀋一郎（- じょういちろう）：2003年11月場所-2007年5月場所
旭南海 丈一郎（- じょういちろう）：2007年7月場所-2010年9月場所
旭南海 廣光（- ひろみつ）：2010年11月場所-2011年5月技量審査場所

「丈一郎」の名は、尊敬するプロボクサーの辰吉丈一郎にあやかり、旭道山によって名付けられました。

もう一度検索