明智光忠

明智光忠（あけち みつただ）

明智光忠は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、明智光秀の家臣として知られています。彼の通称には次右衛門や二郎、さらに二郎四郎といった異名もあります。光忠は丹波国の八上城の城主であり、剃髪して長閒斎（ちょうけんさい）という号を名乗ったことでも知られています。

彼の名前は『明智軍記』や系図に見られ、『綿考輯録』や『信長公記』では明智次右衛門として記載されていますが、他の史料にはほとんど登場しないため、彼の存在については多くの謎が残されています。ただし、光忠には娘が存在し、その娘は細川忠興の側室となり子をもうけているため、彼が実在した人物である可能性は高いとされています。

生涯

『明智軍記』や系図によれば、光忠は明智光秀の叔父にあたる明智光久の子であり、光秀にとって従兄弟の位置付けになります。光秀の重臣の1人とされているものの、彼に関する記録は主に『明智軍記』に限定されており、確実な史料は乏しい状況です。光忠の父である光久は、弘治2年（1556年）の明智城陥落時に伯父の光安と共に亡くなったとされています。

光忠は、永禄5年（1562年）には光秀と共に朝倉義景に仕官し、光秀の一族として弥平次光春（秀満）や他の一族と共に、加賀一向一揆の討伐において手柄を立てたとされていますが、これに関する確かな記録は確認されていません。

天正3年（1575年）には丹波過部城（余部城）を攻め取り、同5年（1577年）には篠山城を陥落させた後、光秀により亀山城の留守居として光忠が任命されました。過部城の攻略の功績は織田信長に認められ、光忠は「治右衛門」として称賛され、安吉の脇差しも与えられました。

天正7年（1579年）、八上城が敵に兵糧攻めにされ、城が落ちる際には光忠がこの城の城代として任命されました。天正10年（1582年）6月1日、光忠は光秀と共に主君である織田信長を襲撃する計画、いわゆる本能寺の変に関与しました。彼は本能寺への攻撃において重要な役割を果たし、『惟任退治記』にはその様子が記されています。また、『野史』によると、信長の子である信忠が籠城した二条御新造を攻撃するも重傷を負い、知恩院で療養している間に光秀が羽柴秀吉に敗北したとの報が入り、光忠は知恩院にて自害したとも言われています。

光忠の享年は43歳でした。

高山次右衛門について

『兼見卿記』には、高山次右衛門が坂本の城で火を放ったとされる記録がありますが、彼がどのような人物であったのかは明らかではありません。高山次右衛門は明智秀満（左馬助）の家臣であり、その命令によって火を放つよう指示されたのではないかと考えられています。

明智光忠の実績や評価は限られていますが、彼の存在は日本の武士の歴史の中で重要な位置を占めています。彼の家族とのつながりや、明智氏の一員としての役割は、戦国時代の複雑な人間関係を物語っています。

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