明治橋 (那覇市)
明治橋の概要
沖縄県那覇市に位置する明治橋は、全長128メートルの片側3車線の道路橋です。那覇空港と那覇市街地、沖縄本島南部と中北部を結ぶ交通の要衝であり、沖縄県の大動脈として重要な役割を担っています。橋の南端は国道58号、331号、332号の終点（331号は起点）であり、道路中央にはそれを示すモニュメントが設置されています。
明治橋の歴史
明治橋の歴史は古く、1883年に最初の橋が架けられました。以下に、各時代の明治橋について詳しく解説します。
初代明治橋（1883年）
1883年7月、渡地（現在の那覇港那覇ふ頭付近）と奥武山（当時は漫湖の中島）、垣花（現在の那覇軍港付近）を結ぶ木橋として初代明治橋が完成しました。しかし、台風などの自然災害により、しばしば流失しました。
2代目明治橋（1903年）
1903年5月、奥武山の御物城（現在の那覇軍港内）の東側で、北明治橋と南明治橋の2つの有料橋が完成しました。これらの橋は、住民から通行料を徴収していました。1916年には改修が行われましたが、沖縄戦で日本軍が米軍の侵攻を阻止するために爆破されました。
この頃、明治橋の整備が進むにつれて、それまで主流だった水上交通から陸上交通へと移行が進みました。
3代目明治橋（戦後初代、1953年）
戦後、沖縄を統治していた米軍によって、戦前の南北明治橋よりやや東側に、長さ101メートル、幅21.1メートルの鉄筋コンクリート橋が建設されました。この橋は、軍用道路1号線（現在の国道58号）と3号線（現在の国道331号）の起点となり、1972年の本土復帰後は、国道58号、331号、332号の終点として、沖縄本島南部と中北部を結ぶ大動脈として発展しました。
1970年に那覇大橋が完成するまでは、この付近で唯一国場川を横断する橋でした。1975年の沖縄国際海洋博覧会開催時には、輸送確保のためにこの区間が6車線に拡幅されましたが、明治橋自体は構造上の理由から4車線のままでした。交通量の増加と老朽化のため、1984年に取り壊され、仮橋が建設されました。
4代目明治橋（戦後2代目、1987年）
1987年3月、現在の明治橋が完成しました。長さ128メートル、幅31.5メートルの片側3車線、計6車線の橋で、歩道も広く確保され、街灯も設置されました。国道329号那覇東バイパス（現在の本線）との交差も考慮して設計され、1992年にはバイパスとも接続しました。
現在では、那覇市街と那覇空港周辺を結ぶ主要道路の一つですが、2011年8月には、那覇西道路が完成し、明治橋を迂回できるようになりました。また、1988年以降、毎年12月第1日曜日に開催されるNAHAマラソンの実質的なスタート地点となっています。
北明治橋（歩行者専用道路橋、2003年）
2003年8月には、沖縄都市モノレール（ゆいレール）の開通に合わせて、明治橋の東側、壺川駅のある国道329号那覇東バイパスと奥武山公園の間に、長さ128メートル、幅12.4メートルの歩行者専用道路橋である北明治橋が完成しました。これにより、モノレールから奥武山公園へのアクセスが向上しました。毎年10月には、那覇まつりが同公園を中心に開催されるため、モノレールの乗降客数増加に大きく貢献しています。
まとめ
明治橋は、その長い歴史の中で沖縄の交通を支え、発展に貢献してきました。幾度かの架け替えを経て、現在の姿に至っていますが、これからも沖縄県民の生活を支える重要なインフラとして、その役割を果たし続けるでしょう。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。