那覇東バイパス

那覇東バイパス

那覇東バイパスは、沖縄県那覇市上間の上間交差点から、豊見城市を経由して再び那覇市に入り、旭町の明治橋に至る国道329号のバイパスです。正式には、上間交差点から古波蔵の新那覇大橋交差点までが「那覇東バイパス」、新那覇大橋交差点から旭町の明治橋までが「漫湖局改」と区分されています。

概要

那覇市内の国道329号は、都心部や市街地へ向かう車両が集中し、上間、国場、真玉橋、古波蔵、旭町の各交差点付近で慢性的な渋滞が発生していました。1987年に沖縄自動車道が那覇インターチェンジまで開通すると、沖縄本島中北部から那覇空港へのアクセス道路としての利用も増加し、交通渋滞はさらに深刻化しました。この状況を改善するため、主要交差点の渋滞緩和と交通量の分散を目的に、那覇東バイパスが計画されました。

バイパスは、まず古波蔵から旭町間が1982年に事業化され、1985年に着工しました。1992年には鏡原町から旭町間が開通し、1996年には那覇市仲井真から豊見城市真玉橋間が暫定2車線で開通、これにより全線が開通しました。1999年には全線が4車線化（一部は暫定4車線）され、交通分散が進み、那覇市内の現道区間の混雑は大幅に緩和されました。また、沖縄自動車道から那覇空港方面へ向かう車両はバイパスを利用するようになり、交通量が増加しましたが、2003年に那覇空港自動車道が豊見城インターチェンジまで開通したことで、交通量は分散されました。

上間から仲井真間と真玉橋交点付近は、将来的な立体高架橋の建設が計画されており、中央分離帯のスペースが広く確保されていますが、現時点では立体交差化の具体的な計画は未定です。上間交差点から先は、現在は主要地方道那覇糸満線（県道82号）、通称環状2号に接続していますが、将来的に南風原バイパスに接続する予定です。バイパスの完成により、環状2号線（那覇市安謝から那覇市旭町）が全線開通したことになります。

一方、バイパスに並行する旧道区間（那覇市上間交差点から旭橋交差点）は、重要な幹線道路であるため、バイパス開通後も国道329号の本線として利用されていましたが、2007年10月には国道329号の本線がバイパスに移されました。これに伴い、旧道区間は国道329号の指定区間から外れ、沖縄県に移管されました。その後、旧道区間は、国道330号（古波蔵交差点から旭橋交差点）と国道507号（上間交差点から古波蔵交差点）にそれぞれ路線名が変更されました。

路線データ

区間：那覇市上間（上間交差点） - 旭町（明治橋）
那覇東バイパス：上間交差点 - 古波蔵新那覇大橋交差点
漫湖局改：古波蔵新那覇大橋交差点 - 旭町明治橋（新旭橋）
実延長：5.7km（那覇東バイパス4.7km、漫湖局改1km）
道路規格：第4種1級
設計速度：60km/h（全線開通後2015年頃まで50km/h、暫定2車線開通時は40km/hの制限速度）

歴史

1981年：古波蔵 - 旭町間が都市計画決定。
1982年：古波蔵 - 旭町間が事業化。
1984年：上間 - 古波蔵間が都市計画決定。
1985年：古波蔵 - 旭町間が着工、上間 - 古波蔵間が事業化。
1987年：上間 - 古波蔵間が着工。
1992年：鏡原町 - 旭町間（1.9km）が部分開通。
1993年：とよみ大橋（鏡原町 - 真玉橋県道11号BP交点の450m）が開通。
1994年：上間 - 仲井真間（950m）が暫定2車線で開通。
1995年：真玉橋（県道11号BP交点 - 県道11号交点の800m）が開通。
1996年：仲井真 - 真玉橋間（1.3km）が暫定2車線で開通、全線開通。
1999年：全線4車線化。
2003年：沖縄都市モノレール（ゆいレール）が開通、バイパス内に壺川駅開業。
2007年：国道329号の本線が当バイパスに移り、並行する旧道区間が国道329号の指定区間から外れ、県に移管され国道330号および507号となる。

地理

通過する自治体：沖縄県、那覇市 - 豊見城市 - 那覇市
交差する道路：
国道329号（那覇市上間）
沖縄県道82号那覇糸満線（同、環状2号）
国道507号（那覇市上間・仲井真、現道・津嘉山バイパスともに）
沖縄県道11号線（豊見城市真玉橋、現道・バイパスともに）
沖縄県道221号那覇内環状線（那覇市古波蔵）
国道58号（那覇市旭町）
並行する鉄道：沖縄都市モノレール（ゆいレール、那覇市古波蔵〜旭町）
壺川駅（那覇市壷川）

道路施設

橋梁：
とよみ大橋（饒波川・漫湖、豊見城市真玉橋〜那覇市鏡原町）
新那覇大橋（国場川、那覇市古波蔵〜壷川）

外部リンク

* 那覇東バイパス - 沖縄総合事務局南部国道事務所

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