明田川融

明田川融（あけたがわ とおる）

明田川融氏は、1963年生まれの日本の政治学者です。専門は日本政治史と日本外交史であり、特に日米地位協定研究の第一人者として広く知られています。現在、法政大学法学部教授として教鞭を執り、後進の育成にも力を注いでいます。

生い立ちと学歴

明田川氏は、新潟県加茂市のご出身です。1997年に法政大学大学院社会科学研究科政治学専攻博士課程を修了されました。その後、法政大学の非常勤講師などを経て、2017年に法政大学法学部政治学科教授に就任されました。2018年からはゼミを開設し、学生たちの指導にもあたっています。

研究活動

明田川氏の研究は、日米地位協定を中心に、日本の政治史と外交史を深く掘り下げています。日米地位協定は、戦後の日米関係において重要な位置を占める協定であり、明田川氏はその歴史的経緯や現代的な課題について詳細な分析を行っています。

特に、『日米地位協定　その歴史と現在（いま）』は、その研究成果をまとめたものであり、第36回（2018年度）櫻田會奨励賞を受賞しました。この著書は、日米地位協定の歴史的背景から現代における課題までを網羅的に解説しており、この分野の研究において重要な位置を占めています。

また、沖縄基地問題についても積極的に研究を行っており、『沖縄基地問題の歴史-非武の島、戦の島ー』などの著書を通じて、沖縄基地問題の歴史的経緯や複雑な構造を明らかにしています。さらに、戦後日本の占領史についても研究を行い、その成果を『占領期年表 1945-1952年:沖縄・憲法・日米安保』などの著書として発表しています。

著書と訳書

明田川氏は、数多くの著書や訳書を執筆しています。主な著書としては、

『日米行政協定の政治史-日米地位協定研究序説ー』(法政大学出版局，1999年)
『各国間地位協定の適用に関する比較論考察』(内外出版，2003年，本間浩 ほか共著)
『沖縄基地問題の歴史-非武の島、戦の島ー』(みすず書房，2008年)
『占領期年表 1945-1952年:沖縄・憲法・日米安保』 (「戦後再発見」双書 資料編，創元社，2015年)
『日米地位協定-その歴史と現在-』(みすず書房，2017年)

などがあります。これらの著書は、日米関係や戦後日本の歴史を理解する上で非常に重要な文献となっています。

また、訳書としては、

ジョン・ハーシー『ヒロシマ 増補版』(法政大学出版局，2003年、新版2014年)。石川欣一・谷本清訳を増補
『占領軍対敵諜報活動―第441対敵諜報支隊調書』(訳・解説、現代史料出版，2004年)
浅野豊美『故郷へ―帝国の解体・米軍が見た日本人と朝鮮人の引揚げ』(現代史料出版，2007年)
ジョン・ダワー『昭和-戦争と平和の日本-』(みすず書房，2010年)、監訳
ジョン・ダワー／ガヴァン・マコーマック『転換期の日本へ 「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か』(NHK出版新書，2014年)。吉永ふさ子共訳

などがあり、海外の研究成果を日本に紹介する役割も担っています。

その他の活動

明田川氏は、研究活動の傍ら、映画出演もされています。2020年12月に公開されたドキュメンタリー映画「戦車闘争」に出演されており、社会的な問題にも積極的に関わっています。

明田川融氏の研究は、日米関係や戦後日本の歴史を深く理解する上で不可欠なものであり、その活動は今後も注目されるでしょう。

外部リンク

* 明田川融|好書好日 - 朝日新聞デジタル

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