明石町 (神戸市)

明石町：神戸の中心地を彩る歴史と商業の街

明石町は、兵庫県神戸市中央区に位置する町名です。郵便番号は650-0037。神戸外国人居留地の西から2番目の道路沿いにあり、北は三宮町、東は播磨町、南は海岸通、南西は前町、西は西町と隣接しています。丁目は存在せず、商業地域として発展を遂げてきました。

歴史と変遷：居留地から現代都市へ

明石町という地名は、元々は居留地を南北に走る道路（道幅11.7m、長さ325.8m）の名前でした。その名の由来は、明石市という有名な地名にちなみ、居留地の他の町名と同様に著名な地名から取られています。

居留地時代は「居留地○番地」という呼び名でしたが、1899年（明治32年）の条約改正による居留地返還後に、通りの名称が行政上の町名として正式に用いられるようになりました。

この地には、古くから国際的な交流の拠点としての歴史があります。1870年（明治3年）には神戸最初のキリスト教会が設立され（1923年（大正12年）に中山手通に移転）、その後もアメリカ領事館（1917年～1919年）、ウルグアイ領事館（1927年～1932年）、オランダ領事館（1930年）などが置かれるなど、国際色豊かな時代を過ごしました。

1927年（昭和2年）には大丸屋呉服店（後の大丸神戸店）が元町通四丁目から明石町に移転し、商業の中心地としての発展に大きく貢献しました。1934年（昭和9年）には、前町、仲町、裏町の一部を編入し、現在の町域が形成されました。

近代建築と変容：震災と復興

かつての明石町には、大丸神戸店、三菱銀行神戸ビル、住友生命神戸ビル、泰和ビル（フィリピン共和国総領事館）などの近代建築物が建ち並んでいました。また、明海ビル（震災で倒壊）、日本毛織、大丸南1号別館など、歴史的建造物が存在していました。阪神・淡路大震災では大きな被害を受けましたが、その後復興を遂げ、現在も商業の中心地として発展を続けています。

人口と交通：現代の明石町

明石町の人口は、時代とともに変化してきました。1901年（明治34年）には戸数10戸、人口49人でしたが、1920年（大正9年）には人口45人、1960年（昭和35年）には人口3人に減少しました。その後、1988年（昭和63年）には人口6人、2005年（平成17年）には人口2人へと変遷しています。

鉄道駅は町内にありませんが、大丸神戸店地下2階と直結する旧居留地・大丸前駅（三宮町）や、徒歩圏内の元町駅が最寄り駅として利用されています。バス路線も充実しており、交通アクセスは良好です。

まとめ：歴史と未来が交わる街

明石町は、神戸外国人居留地の歴史を刻み、国際交流の拠点として発展してきた商業地域です。近代建築や歴史的建造物が立ち並び、大丸神戸店など商業施設が集積する神戸の中心地として、現代も活気ある街並みを保ち続けています。 歴史と現代が共存する明石町は、これからも神戸の街を彩り続けるでしょう。

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