中山手通

中山手通：神戸の豊かな歴史と現代が交差する街

神戸市中央区に位置する中山手通は、東西に長く伸びる、歴史と現代が織りなす魅力的なエリアです。加納町、北長狭通、下山手通、楠町、矢部町、楠木谷町、再度筋町、山本通といった地域に隣接し、オフィスビルや商店、飲食店、集合住宅、戸建て住宅が混在する活気ある街並みが特徴です。

歴史の息吹：明治から現代まで

中山手通の歴史は明治6年（1873年）、山手に新道が開通したことに始まります。翌年には、神戸町の区域の一部を編入して誕生しました。当初は六丁目まででしたが、その後、七丁目、八丁目と順次拡張されてきました。神戸中山手通と呼ばれた時代を経て、現在の中山手通へと名称が変化しています。

明治時代から昭和時代にかけては、多くの教育機関や宗教施設が設立されました。頌栄保母伝習所（後の頌栄短期大学）、神戸孤児院（後の神戸真生塾）、長楽寺（南京寺）、聖ミカエル教会、神戸中華同文学校などがその代表例です。これらの施設は、中山手通の文化的、宗教的な多様性を象徴する存在となっています。また、神戸市電山手線の開通（大正11年）や、海洋気象台（後の神戸地方気象台）の設置（大正9年）など、交通や科学技術の発展にも貢献してきました。

戦後には、聖ミカエル国際学校や関帝廟といった新たな施設が誕生し、地域社会の変容を反映しています。阪神・淡路大震災（平成7年）による被害を受けた中山手カトリック教会は、その後カトリック神戸中央教会として再建されました。

多様な施設と賑わい：現代の中山手通

現在の中山手通には、数多くの施設が点在しています。神戸中山手郵便局、神戸市立北野地域福祉センター、第一グランドホテル、神戸女子大学三宮キャンパス、神戸モスク、在神戸大韓民国総領事館、NHK神戸放送局、神戸税務署、生田警察署など、官公庁や教育・文化施設、商業施設がバランスよく配置されています。

また、相楽園や宇治川公園といった緑地も存在し、都市生活の中に自然を感じることができる空間を提供しています。さらに、数多くの寺院や教会、学校などがあり、多様な文化が共存する地域となっています。

交通アクセスと地価

中山手通内には鉄道駅はありませんが、バス路線が整備されており、交通の便は良好です。特に中山手通3丁目停留所は主要なバス停となっています。

地価は高く、特に住宅地は高額な土地価格となっています。2014年（平成26年）1月1日の公示地価によれば、一部地域では1㎡あたり36万8000円という高値を記録しています。

人々の暮らしと歴史の継承

中山手通には、明治期から昭和期にかけて活躍した著名な人物も多くゆかりがあります。彼らは、中山手通の成長に大きく貢献した歴史的偉人達です。

このように、中山手通は、歴史と現代が共存する、神戸を代表する地域です。その発展の歴史、多様な施設、そして高い地価は、この街が持つ独特の魅力を表しています。今後も、変化を続けながら、神戸の中枢地域として発展していくことでしょう。

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