星 (タロット)

星（The Star）

『星』は、タロットの大アルカナにおける第17のカードです。前のカードは「塔」（16）、次のカードは「月」（18）となります。このカードは、希望や願望の実現、そして絶望からの再生を象徴しています。正位置では霊感やひらめき、逆位置では失望や無気力を示すとされます。

カードの象徴的意味

正位置において、『星』は未来に対する希望やポジティブな見通しを示しています。逆位置の場合、失望や過度な期待、不安定な気持ちを反映することがあります。このように、カードの位置によって意味が変わるため、読者の状況に合わせた解釈が求められます。

カバラとの関連

『星』のヘブライ文字は「ヘー」（ה）であり、カバラの視点からは、知恵を象徴する「コクマー」と、調和を象徴する「ティファレト」のセフィラを結びつける手段とされています。これにより、より深い精神的なつながりが示されます。

占星術との関連

占星術的には、さまざまな解釈が存在し、双児宮、処女宮、磨羯宮、宝瓶宮、双魚宮などの星座と関連づけられています。また、水星や金星との関連も考えられています。これらの星座や惑星は、人々の運命や性格に影響を与えるとされ、占星術とタロットの統合的な理解が試みられています。

描画の解釈

『星』のカードには、美しい女性が描かれており、彼女は二つの壺から液体を注いでいます。片方の液体は大地へ、もう一方は水流に向かっています。この描写は、生命の循環を表し、地面に根ざす生命が水を得て成長する様子を象徴しています。水は生命の源であり、大地はその成長を支える存在です。

女性の姿は、彼女が人間でありながら仲介者の役割を果たしていることを示しています。彼女が持つ二つの壺は、タロットの「節制」とも関連があり、自然との調和を象徴しています。この女性の裸体は、自然との親和性や、変容の過程において自己の内面を直接的に体験することを象徴しています。

樹木と星々の象徴

描かれている樹木は、地上で伸びやかに生い茂り、天と地を結ぶ存在として描かれています。これらの樹木は、相互に結びつく性質を持ち、意識の成長を象徴しています。また、大きな星は霊的な直観力と身体を統合するものとして理解されています。この星は、赤と黄色の交互の色使いによって、身体や人間的感情と霊的な直観との関係を暗示しています。

小さな星々は、個々の内面に存在する多様なパーソナリティの断片を象徴し、意識の利用可能性を暗示しています。

まとめ

『星』のカードは、希望や直感、再生の力を持つカードであり、個人の成長や再生の道を示す重要な象徴です。ウェイト版とマルセイユ版の違いは浅いものですが、いずれもこのカードが持つ深い意味や象徴性を強調しています。どちらのバージョンも、未来への希望やポジティブなエネルギーを表す重要な役割を果たしています。

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