星野命

星野命（ほしの あきら）

星野命（ほしの あきら、1927年8月24日 - 2015年11月7日）は、日本の著名な心理学者であり、国際基督教大学（ICU）の名誉教授として長年にわたり教鞭を執りました。彼の専門分野は多岐にわたり、異文化間心理学、人格心理学、臨床心理学など、心理学の広範な領域に貢献しました。

略歴

星野命は石川県金沢市で生まれ、1952年に東京大学文学部心理学科を卒業しました。その後、名古屋大学医学部精神医学教室にて臨床心理学の研修生として入局し、研究者としてのキャリアをスタートさせました。

1955年には、フルブライト奨学生として米国アイオワ州立大学大学院臨床心理学研究科に留学し、本格的な研究活動に没頭しました。1956年にはミシガン大学心理学クリニックで研究員を務め、国際的な視野を広げました。

帰国後、1957年に国際基督教大学教養学部の専任講師として着任し、その後、助教授、準教授を経て、1972年に教授に昇任しました。1990年に定年退職し、名誉教授の称号を受けました。退職後も、京都女子大学教授として後進の指導にあたりました。

2015年11月7日、星野命は永眠しました。生前の業績を称え、日本社会心理学会からは名誉会員の称号が贈られています。

業績

星野命は、異文化間心理学の分野において先駆的な研究を行い、日本における異文化理解の促進に大きく貢献しました。また、人格心理学や臨床心理学においても、数多くの著書や論文を発表し、心理学の発展に寄与しました。

著書

『クロス・カルチュア思考への招待 異文化間体験の心』（読売新聞社、1992年）
『星野命著作集』全3巻（北樹出版、2010-11年）
1巻：人間性・人格の心理学（2010年）
2巻：異文化間教育・異文化間心理学（2010年）
3巻：心理学その境界を越えて（2011年）

共編著

『ロールシャッハ法による事例研究』（誠信書房、1970年）
『性格は変えられるか 個性カウンセリング入門』（有斐閣選書、1972年）
『臨床心理学』（新曜社、1972年）
『カルチュア・ショックと日本人 異文化対応の時代を生きる』（有斐閣選書、1983年）
『社会心理学の交叉路』（北樹出版、1986年）
『講座家族心理学 第1巻 変貌する家族 その現実と未来』（金子書房、1989年）
『性格心理学新講座 第6巻.ケース研究 個性の型態と展開』（金子書房、1989年）
『異文化間関係学の現在 旅・異文化・人生』（金子書房、1992年）
『青年期カウンセリング入門 青年の危機と発達課題』（川島書店、1998年）
『対人関係の心理学』（日本評論社、1998年）

翻訳

G.W.オルポート『人格心理学』（誠信書房、1968年）
G.W.オルポート『人格と社会との出会い』（誠信書房、1972年）
G.W.オルポート『心理学における人間』（培風館、1977年）


これらの著書、共編著、翻訳書は、星野命の幅広い知識と深い洞察力を示しており、心理学の研究者や学生にとって貴重な資料となっています。

参考文献

* 『日本心理学者事典』（クレス出版、2003年）

星野命の業績は、日本の心理学界において多大な影響を与え、彼の研究は今日においても高く評価されています。

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