春の呪い

春の呪い

『春の呪い』は、小西明日翔による日本の漫画作品で、『月刊コミックZERO-SUM』で連載されました。作者初の連載作品であり、妹の死を通して主人公が心の葛藤と向き合う姿を描いた物語です。2016年には「NEXTブレイク漫画RANKING BEST50」で9位、「このマンガがすごい!2017」オンナ編で2位を受賞するなど、高い評価を得ました。2021年にはテレビドラマ化もされています。

あらすじ

主人公・立花夏美の妹である春は、19歳という若さで病死します。春には、親同士が決めた婚約者である柊冬吾がいました。春の死後、夏美は冬吾と交際を始めますが、彼に「春と2人で行った場所に連れて行ってほしい」と頼みます。夏美にとって春は唯一の家族であり、2人で暮らすことを夢見ていましたが、冬吾に春を奪われたような感覚を抱き、彼を憎む気持ちも抱えていました。冬吾と交際することで罪悪感を覚える夏美は、春が亡くなる間際に「冬吾さん」と呟いた言葉が、まるで呪いのように感じてしまうのです。

登場人物

立花夏美（たちばな なつみ）
主人公。母親に似た容姿と性格を持ちます。両親との確執から、妹の春を溺愛していました。
柊冬吾（ひいらぎ とうご）
春の婚約者。容姿端麗で、春とは良好な関係を築いていました。
立花春（たちばな はる）
夏美の妹。癌で亡くなります。冬吾とは見合いで知り合いました。
海斗（かいと）
夏美の異母弟。

書誌情報

小西明日翔 『春の呪い』 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉、全2巻
2016年04月25日発売、ISBN 978-4-7580-3181-3
2016年12月24日発売、ISBN 978-4-7580-3248-3

テレビドラマ

2021年5月22日から6月26日まで、テレビ東京系列「サタドラ」枠で放送されました。監督・脚本は落合正幸、主演は髙橋ひかるが務めました。

キャスト

立花夏美：髙橋ひかる
柊冬吾：工藤阿須加
立花春：桜田ひより
柊聖美：高島礼子
立花浩司：飯田基祐
立花芳江：河井青葉
柊真由子：結城モエ
柊篤実：薬丸翔
柊俊策：津村和幸

スタッフ

原作：小西明日翔 『春の呪い』
監督・脚本：落合正幸
チーフプロデューサー：稲田秀樹
音楽：沢田完
主題歌：tricot「いない」
制作：テレビ東京、The icon

放送日程

(省略)

原作とドラマの相違点

立花家の母親の設定が、原作では離婚、ドラマでは死別となっています。
柊家と立花家の最初の出会いが、原作では離婚後の見合い、ドラマでは母親の葬儀に変更されています。
ドラマオリジナルのホラー演出や、夏美のアルバイト先が中華料理屋からパン屋に変更されるなどの違いがあります。
夏美が自殺を図る場所が、原作では踏切、ドラマでは橋に変更されています。

『春の呪い』は、漫画、ドラマともに、登場人物たちの繊細な感情と、複雑に絡み合う人間関係を描いた作品です。ぜひ原作とドラマ、それぞれの魅力を堪能してみてください。

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