春の高校伊那駅伝

春の高校伊那駅伝

春の高校伊那駅伝（はるのこうこういなえきでん）は、長野県伊那市で毎年3月に開催される高校生の駅伝大会です。長野県高校新人駅伝競走大会という名称でも知られています。

大会の特徴

この大会は、全国高等学校駅伝競走大会（都大路）に次ぐ規模の全国大会として、高校駅伝界で重要な位置を占めています。参加資格は高校1・2年生に限られており、多くのチームにとって新チーム最初の全国レベルの大会となります。「春の伊那路を制するものは都大路を制す」とも言われ、夏のインターハイや年末の都大路に向けた勢力図を占う意味でも、関係者やファンから注目されています。

伊那市陸上競技場を発着点とするコースは、木曽山脈と赤石山脈を背景にした自然豊かな田園地帯を駆け抜けます。しかし、その景観とは裏腹に、起伏に富んだコースは選手たちにとって大きな試練となります。

近年では、全国の強豪校が参加する大会へと発展し、北海道から沖縄まで、男女合わせて約200チームがその実力を競い合います。予選会や参加標準記録がないため、全国の多くの高校に門戸が開かれているのも特徴です。コロナ禍で一時減少した参加チーム数も、増加傾向にあります。

また、大会開催日が春休み期間中であるため、大会後には伊那市周辺で合同合宿を行うチームも多く、選手育成の場としても重要な役割を担っています。

コース概要

女子の部は5区間21.0975km、男子の部は6区間42.195kmで争われます。

女子: 伊那市陸上競技場をスタートし、伊那北高校を経由して西春近柳沢で折り返すコース。
男子: 伊那市陸上競技場をスタートし、高遠町商店街で折り返すコース。

女子は1区以外の区間で、男子は5区で外国人留学生の出場が可能です。

記録

女子: 1時間09分20秒（仙台育英高校、第40回大会）
男子: 2時間06分43秒（佐久長聖高校、第45回大会）

メディア

1994年から長野朝日放送がテレビ中継を開始し、2016年からは長野放送が放映権を引き継ぎました。2017年からはBSフジで全国生中継されています。

伊藤国光杯

大会に出場した長野県内の最優秀選手（男女各1名）には、伊藤国光杯が授与されます。これは、10000mとマラソンの元日本記録保持者であり、伊那市出身の伊藤国光氏の名を冠したものです。

春の高校伊那駅伝は、高校生ランナーたちの熱い戦いを通じて、多くの感動とドラマを生み出す大会として、これからも注目を集めていくことでしょう。

もう一度検索