春日井市図書館

春日井市図書館について

春日井市図書館は、愛知県春日井市に位置する公共図書館です。本館は文化フォーラム春日井の3階と4階にあり、その他にグルッポふじとう図書館、そして市内10か所に図書館分室が設置されています。

春日井市図書館の歴史

八幡字町割時代 (1947年 - 1957年)

1947年（昭和22年）11月、[連合国軍最高司令官総司令部]の進言により、八幡字町割（現在の春見町）に市立春日井図書館が誕生しました。当時は主に貸出文庫による読書指導を行い、勝川町にも分館がありました。1950年（昭和25年）6月には、市庁舎の移転に伴い、図書館も市庁舎内に移転しました。

瑞穂通時代 (1957年 - 1971年)

1957年（昭和32年）5月、瑞穂通5-1に独立館として移転しました。この建物は、現代的な箱型デザインでありながら、瓦屋根という特徴的な外観を持っていました。移転時の蔵書数は12,465冊でした。この時代には、読書感想文コンクールや婦人読書会が発足するなど、読書活動が活発に行われました。1966年（昭和41年）には、隣接する電電公社のビル建設のため、春日井市役所前に建てられたプレハブの仮設図書館に移転しました。この仮設館は1971年（昭和46年）まで約5年間使用されました。1968年（昭和43年）には、元春日井市長の梅村義一氏から寄贈された教育関係図書で「梅村教育文庫」が開設されました。

春見町時代 (1971年 - 1999年)

1971年（昭和46年）1月、春見町の春日井市立八幡小学校の南、春見公園の南東に新館が開館しました。鉄筋コンクリート造2階建ての建物で、1972年（昭和47年）には貸出方式がブラウン方式に変更されました。1973年（昭和48年）には紙芝居の館外貸出と館内での実演を開始しました。1975年（昭和50年）にはテープライブラリーが開設され、視覚障害者向けの録音図書の無料郵送貸出が始まりました。また、電動集密書架への切り替えや、伊藤正樹氏からの寄贈による「伊藤文庫」の開設など、施設やサービスの拡充が進められました。1980年代には、コンピュータシステムの導入や参考室の設置、郷土資料室の改修などが行われました。1980年代後半には、図書館の増築工事や改修工事も行われました。1993年（平成5年）には愛知県図書館とのオンライン化が図られ、1994年（平成6年）には知的障害者への図書郵送貸出も始まりました。しかし、春見町時代の建物は手狭であり、集客面での課題があったため、新たな図書館の建設が計画されました。

文化フォーラム春日井時代 (1999年 - 現在)

1999年（平成11年）11月16日、文化フォーラム春日井が開館し、3階と4階部分に[春日井市]]図書館が移転しました。旧館の名称は「春日井市立図書館」でしたが、新図書館では「立」の字が取れて「春日井市図書館」となりました。新館ではブックディテクションシステム]が導入され、開館に合わせて約13万冊が新規購入されました。開館時間は「9時-20時」となり、特別整理期間も変更されました。貸出冊数も10冊までとなり、ビデオ・CD・書作品・複製絵画・点字図書の貸出も開始されました。公式ウェブサイトも開設され、図書館ボランティアも活動を開始しました。開館記念行事として、講演会や展示会、リサイクル会などが開催されました。2000年（平成12年）には、入館者数が3ヶ月で30万人を突破し、1年間の入館者数は71万4874人、貸出冊数は149万8176冊と、旧館時代を大きく上回りました。2000年代には、インターネット予約サービスの開始、尾張北部広域行政圏との相互利用サービス、保育園への団体貸出など、サービスが拡充されました。2006年（平成18年）には貸出対象者が[[愛知県内在住者に拡大され、ブックスタート事業も開始されました。2010年代には、団体貸出の対象範囲の拡大、デジタル資料の閲覧サービスの導入、読書手帳の配付など、新たな取り組みが行われています。

施設

春日井市図書館本館

春日井市役所や春日井文化会館の隣接地に建設された文化フォーラム春日井の3階と4階にあります。2019年度末の蔵書数は596,033冊で、春日井市の直営です。JR中央本線春日井駅から徒歩約20分、名鉄バス「鳥居松」バス停から徒歩約2分、かすがいシティバス「市役所」バス停から徒歩約1分です。

書作品と複製絵画の貸出

春日井市は「書のまち春日井」をキャッチフレーズとしており、平安時代の能書家である小野道風が春日井近辺で生まれたという説があることから、書道展や美術館の運営を行っています。そのため、1999年の移転時に書作品や複製絵画の貸出を開始しました。これは当時としては珍しい試みでした。

グルッポふじとう図書館

高蔵寺ニュータウンにあるグルッポふじとうの中核施設として、東部市民センター図書室の移転という形で誕生しました。1階に児童図書コーナー、2階に一般図書コーナーと持ち込みパソコン室、3階に学習室があります。高蔵寺まちづくり株式会社が指定管理者として施設を管理し、図書館業務は丸善雄松堂に委託されています。2019年度末の蔵書数は76,722冊です。

図書館分室

市内には10か所の図書館分室があり、各公民館やふれあいセンターに併設されています。これらの分室は、地域の住民にとって身近な図書館として利用されています。かつては移動図書館も運行されていましたが、2005年に廃止されました。

春日井市図書館は、市民の学習や読書活動を支える重要な拠点であり、時代に合わせてサービスを拡充し続けています。

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