春日弘

春日 弘の生涯と業績

概要

春日 弘（かすが ひろむ）は、1885年に長野県で生まれた日本の実業家であり、住友財閥の重鎮として知られています。彼は1970年に生涯を閉じるまで、日本の経済界やスポーツ界で多大な影響を与えました。特に、住友金属工業の初代社長、ダイキン工業の初代会長、さらに日本陸上競技連盟の2代目会長としての役割は重要です。

学歴と初期の経歴

春日は、穂波小学校を経て、旧制長野中学（現在の長野県長野高等学校）を卒業しました。その後、旧制第一高等学校英法科に進み、さらに東京帝国大学法学部を卒業しました。彼の学問的背景は、後のビジネスキャリアの基盤となりました。住友総本店に入社し、主に銅業に従事しながら、住友財閥の成長に寄与しました。

住友財閥での業績

1941年、春日は住友金属工業の初代社長に就任。これは住友財閥の中でも異例の人事であり、彼のリーダーシップのもと、同社は成長を遂げました。春日は、住友の財閥全体に対する統括的な指揮を行い、会社の発展に寄与したほか、戦後の財閥解体に直面しながらも公職に復帰し、企業活動を続けました。

スポーツ界での貢献

春日はまた、スポーツ界における数多くの役割を担いました。特に、日本陸上競技連盟の設立や、日本オリンピック委員会（JOC）での活動が評価されています。彼は、1964年東京オリンピックの組織委員会のメンバーとしても活動し、オリンピックの成功に向けた取り組みに貢献しました。

オリンピックでの役割

春日は、1952年のヘルシンキオリンピックでは総監督として、日本選手団を指導しました。また1960年のローマオリンピックでは団長として選手団をまとめ上げました。彼のリーダーシップは、選手たちのパフォーマンスを高める重要なポイントとなり、オリンピックの運営にも寄与しました。

賞と栄誉

春日は生前、多くの賞や栄誉を受けました。1964年には正四位勲二等瑞宝章を授与され、また国際陸連からも功労賞を受賞しました。さらに、彼の功績を称えて、陸上競技連盟では「春日弘章」を創設し、優秀な若手選手に贈られています。

人物評

春日は、その豊かな人間性とリーダーシップで周囲から尊敬されていました。河野健三氏は、「春日先生はおおらかで大きな器を持った方」と語り、竹田恒徳氏も、彼の人格的な魅力がオリンピック団長に選ばれる要因だったと述べています。これらの声からも、彼が多くの人に信頼され、敬愛されていたことが伺えます。

家族と家系

春日家は、北信濃の名家であり、真田氏から特別に家紋を拝領したという伝統を持っています。彼の家族もまた、多方面での活躍が知られています。弟の春日篤は大日本帝国海軍の少将として知られ、長男の春日隆は著名な医師、次男の春日芳明は住友商事に関与しました。

最後の時

春日弘は1970年に死去しました。葬儀では、彼の功績を顧慮した多くの人々が弔意を表しました。彼の生涯は日本の経済とスポーツにおける卓越した業績で彩られており、今もなお多くの人に影響を与えています。

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