春日神社 (高槻市成合北の町)

春日神社

大阪府高槻市成合北の町に位置する春日神社は、悠久の歴史を刻む神社です。天児屋根命、経津主命、武甕槌命、そして天照大神という、日本神話において重要な役割を担った神々を祀っています。

社伝によれば、創建は古く、兵庫浦から岩氏と日下部氏が神霊を奉戴し、高取山の瑞光石に祀られたのが始まりとされています。その後、神託によって現在の地に遷座されました。遷座の際、一夜にして多くの木々が生い茂ったことから、この地は「不植森」と呼ばれるようになったと言われています。

春日神社は、かつて宮寺である悉檀寺の奉仕を受け、成合、安満、古曽部の75郷を管轄する春日社の中心として栄華を極めました。しかし、応永年間(1394年～1427年)以降は衰退の一途を辿り、最終的には成合地区の氏神として信仰を集めるようになりました。

元亀年間(1570年～1573年)には、戦乱の世の犠牲となり、高山右近による火災で社殿が焼失するという大きな災禍に見舞われました。しかし、金竜寺の僧侶と氏子の尽力によって再建され、信仰は脈々と受け継がれていきました。明治時代の神社合祀令によって、磐手杜神社の末社とされた時期もありましたが、明治5年(1872年)には村社に列格、明治42年(1909年)には神饌幣帛料供進社に指定されるなど、再びその地位を高めていきました。明治43年(1910年)には、樫木神社を合祀し、現在の規模へと発展を遂げています。

境内には、春日神社本殿の他に、樫木神社、蛭子神社、今宮神社、若宮神社、岩尾神社、藤森神社、山王神社、大井神社、稲荷大社など、多くの摂社・末社が祀られています。また、安置堂には、阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来をはじめとする仏像が安置されており、仏教と神道の習合が感じられる独特の雰囲気を醸し出しています。安置堂に安置されている仏像は、明応元年（1492年）頃、悉檀寺の持仏を預かったものと伝えられています。

春日神社には、高槻市指定有形民俗文化財である「雨乞い祭具一式」が伝来しています。この祭具は、干魃に見舞われた際に、木彫りの龍や蛇を金竜寺の弁天池に浮かべて雨乞い祈願を行う際に用いられたもので、大正9年(1920年)まで続けられていた貴重なものです。

交通アクセスは、高槻市営バス成合バス停下車後、徒歩7分と比較的アクセスしやすい立地にあります。

春日神社は、単なる神社としてだけでなく、高槻の歴史、文化、信仰を深く理解するための重要な文化的資源となっています。その歴史と、数々の神々、そして境内にある様々な建造物や文化財は、訪れる人々に静かな感動を与えてくれるでしょう。

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