春風の誘惑

「春風の誘惑」（はるかぜのゆうわく）

「春風の誘惑」は、1983年2月5日にリリースされた小泉今日子の4枚目のシングルです。この曲は、彼女のキャリアの中で初めてオリコンチャートで週間10位以内にランクインした重要な作品であり、音楽史においても特筆すべき一曲となりました。

制作の背景

この楽曲の楽しさ溢れる歌詞は、作詞家の篠原ひとしによって生み出されました。彼は、当時音楽ディレクターだった髙橋隆と喫茶店で打ち合わせを行い、次のようなシーンを描いたと伝えられています。このシーンは、窓際で紅茶を飲みながら、行き交う人々を静かに見守る女の子の姿であり、恋を待ちわびる心情が反映されています。

作曲を担当したのは緑一二三で、彼は女の子と男の子の初々しい一歩をイメージし、特に風に揺れるスカートや足元の恥じらいを意識していたと振り返っています。この「緑一二三」という名前は、実はたきのえいじの別名であり、彼が演歌でも活躍する作詞家であるため、区別するために名付けられたものです。

編曲は萩田光雄に依頼され、デビューから1年が経過する中で、より成熟した音を求めるアプローチがとられました。制作過程では、当時の歌番組において、レコーディングされたバージョンよりも音程を上げて歌われることが多かったことが特徴的です。

ジャケットとパフォーマンス

「春風の誘惑」のジャケット写真では、小泉の髪型は聖子ちゃんカットでしたが、テレビでのパフォーマンス時にはショートカットに変わるなど、彼女のスタイルの変遷も見どころの一つです。視覚的にも聴覚的にも新鮮さを求めたこだわりが感じられます。

次のステップ

「春風の誘惑」は小泉今日子にとっての重要な作品であり、次作「まっ赤な女の子」以降、ディレクターが髙橋隆から田村充義へと交代するきっかけとなりました。これは、音楽プロデュースの一環としての変化を示す重要なポイントといえるでしょう。

収録曲

このシングルには、以下の2曲が収録されています。

• - 春風の誘惑 (3分1秒)

作詞：篠原ひとし / 作曲：緑一二三 / 編曲：萩田光雄

• - 真夜中のレッスン (3分25秒)

作詞：森雪之丞 / 作曲：はしだのりひこ / 編曲：萩田光雄

このように、「春風の誘惑」は小泉今日子の音楽キャリアにおいて特に重要な役割を果たし、今なお多くのファンに愛され続けている名曲となっています。

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