昭和天皇崩御

昭和天皇崩御とは

昭和天皇崩御とは、第124代天皇である昭和天皇が1989年（昭和64年）1月7日に崩御された出来事です。昭和天皇の崩御は、昭和という時代の終わりを告げ、日本社会に大きな影響を与えました。

崩御までの経緯

1988年（昭和63年）9月18日、昭和天皇は大相撲観戦を予定していましたが、高熱のため急遽中止となりました。翌19日午後10時頃には大量吐血し、緊急輸血が行われました。その後も、上部消化管からの出血が続き、胆道系炎症や閉塞性黄疸、尿毒症を併発し、容態は一進一退を繰り返しました。マスコミは「天皇陛下ご重体」と大きく報道し、全国的に自粛ムードが広がりました。

1989年（昭和64年）1月7日午前6時33分、昭和天皇は皇居吹上御所にて崩御されました。死因は十二指腸乳頭周囲腫瘍（腺癌）と発表されました。当時、神代を除くと歴代天皇の中で最長寿でした。午前7時55分には、宮内庁長官と内閣官房長官が会見を開き、崩御を公表しました。これにより、皇太子明仁親王が第125代天皇に践祚し、同日午前に皇位継承の儀礼が行われました。

直後、竹下登内閣総理大臣が「大行[[天皇]]崩御に際しての竹下内閣総理大臣の謹話」を発表しました。1月20日には、天皇明仁が御誄（おんるい）を述べ、1月31日には「昭和天皇」と追号されました。同年2月24日には、新宿御苑で大喪の礼が執り行われ、武蔵野陵に埋葬されました。

崩御前後の社会の動き

記帳

昭和天皇の病状が悪化して以降、各地に記帳所が設置され、多くの国民が天皇の平癒を祈って記帳しました。病臥の報道から一週間で235万人が記帳し、最終的には900万人に達しました。

自粛ムード

昭和天皇の闘病中から、歌舞音曲を伴う行事やイベントが自粛されました。この自粛の動きは、大規模なイベントだけでなく、個人の結婚式などの祝宴にも及びました。

具体的な自粛の例としては、プロ野球の優勝イベントの自粛、百貨店のセール自粛、国体での花火の打ち上げ自粛、自衛隊行事の中止、広告演出の自粛、テレビ番組の放送内容変更などがありました。

特にテレビ番組では、派手なバラエティ番組が映画や旅行番組に差し替えられ、アニメ番組の放送が中止になるなどの影響が出ました。

服喪

崩御後、内閣の閣議決定により、自治体には6日間、民間には2日間、弔意を示すよう協力が要請されました。その結果、各地で弔旗が掲げられたり、スポーツや歌舞音曲を伴う行事が自粛されたりしました。

全テレビ局とラジオ局は、ニュースと追悼特番のみの特別放送体制となり、CM放送も自粛されました。また、街頭の広告看板やネオンサインも消灯されたり、覆われたりしました。大相撲初場所の開催延期、高校ラグビー大会決勝中止、高校サッカー選手権の順延など、様々なイベントに影響が出ました。

1月7日、8日は企業・商店・レジャー施設が臨時休業し、証券取引所も取引が停止されました。また、1月15日の成人式では、装飾を地味にしたり、派手なイベントを自粛する動きが見られました。

殉死

昭和天皇崩御後、数名の後追い自殺者（殉死）が確認されました。しかし、同年の自殺者総数が増加するという動向は見られませんでした。

マスメディア報道

1980年代頃から、各マスコミは天皇崩御に備え、報道体制を準備していました。崩御当日は「Xデー」と呼ばれ、各局が特別番組を放送しました。

1988年9月19日の吐血直後には、全放送局が報道特別番組を放送しました。病状の変化に応じて、報道特番が流され、人気番組でも放送が中断されることがありました。

1989年1月7日、新聞は号外や夕刊で「天皇陛下崩御」と報道し、テレビ番組欄も白紙に近い状態となりました。報道特別番組では「激動の昭和」という言葉が繰り返し用いられました。1月8日には、昭和が終わる瞬間に思いを馳せる人々の姿が報道されました。

7日の早朝から各局が緊急ニュースを開始し、危篤報道以降は本格的な特別報道体制に入りました。多くの人々がレンタルビデオ店などに殺到し、テレビでは昭和天皇の生涯や昭和時代を振り返る番組が放送されました。

昭和天皇崩御がもたらした影響

昭和天皇の崩御は、日本社会に大きな影響を与えました。自粛ムードや服喪の動きは、国民生活に様々な制約をもたらしましたが、同時に国民が昭和という時代を振り返る機会にもなりました。また、メディア報道を通じて、昭和という時代が改めて認識されました。


昭和天皇崩御は、日本の歴史における大きな転換点であり、その影響は今日まで続いています。

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