昭和記念筑波研究資料館

昭和記念筑波研究資料館について

昭和記念筑波研究資料館は、国立科学博物館が運営する研究施設です。この資料館は、生物学御研究所から国立科学博物館へ寄贈された標本資料を保管するために、1993年6月に筑波実験植物園の敷地内に設置されました。

収蔵標本

資料館には、昭和天皇が研究されていた動植物の標本が、鳥類を除いて6万点以上収蔵されています。これらの標本の中には、新種記載の際に基準となるタイプ標本も多く含まれています。標本の採取場所は、相模湾、那須、皇居など多岐にわたります。

2014年には、ベルギー王立自然史博物館が1936年に昭和天皇から借り受けていたヒドロ虫類の標本が返還され、資料館に収蔵されました。これは、資料館の収蔵品が国際的にも貴重なものであることを示しています。

研究活動

資料館では、単に標本を保管するだけでなく、分類学的な研究も積極的に行われています。また、相模湾での継続的な調査も実施されています。専任の研究員はいませんが、3人の兼任研究員が研究活動を支えています。

情報公開

資料館のコレクションは、研究者向けに公開されています。例えば、2010年3月に筑波大学で開催された日本藻類学会第34回大会では、参加者が筑波実験植物園とともに資料館を見学しました。残念ながら、一般の方への公開は行われていません。

その他の情報

昭和記念筑波研究資料館は、東京都立川市にある昭和天皇記念館とは運営面で全く関係がありません。資料館は、研究活動を支援し、貴重な標本を未来へ継承していくことを目的としています。

まとめ

昭和記念筑波研究資料館は、昭和天皇の研究資料を保管し、分類学研究を進める重要な拠点です。一般公開はされていませんが、研究者にとっては貴重な情報源となっています。資料館の活動は、日本の自然史研究に大きく貢献しています。

参考文献

* 宮村新一「大会をふりかえって」『藻類』第58巻第2号、日本藻類学会、2010年7月10日、144-145頁、NAID 10026607034。

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