昭平親王

昭平親王に関する詳細な考察

概要

昭平親王（あきひらしんのう）は、平安時代中期に活躍した皇族であり、村上天皇の第五皇子です。彼の名前には照平という表記も存在します。彼の人生は、臣籍降下と皇族復帰を経験し、出家後は能書家としての才能でも知られました。

経歴

昭平は天徳4年（960年）に源朝臣の姓を与えられ、臣籍降下を実施しました。降下後、彼は源 昭平（みなもと の あきひら）として知られるようになりました。安和元年（968年）8月、外祖父である藤原在衡の邸で元服を経て、同年11月には従四位上、さらには右兵衛督に任命されることとなります。その後、彼はさらに昇進し、正四位下まで至りますが、異母兄弟を含む村上天皇の他の皇子たちが臣籍降下をすることはなかったため、彼の立場は特異でありました。

この特異な状況があった中、貞元2年（977年）には昭平が再び皇族としての地位に戻されることになりました。この際、親王宣下を受け、四品及び常陸太守に任ぜられました。この復帰は、円融天皇が昭平を兄弟間で唯一臣下としなければならない状況を危惧したためであり、彼を皇族に戻すことで兄弟間の不公平感を解消しようとしたのです。

さらに、同時期に左大臣の源兼明が皇族に復帰し、中務卿に遷任されたことも重要な背景として考えられます。当時の関白太政大臣であった藤原兼通は、その弟である大納言・藤原兼家との対立を乗り越えるため、右大臣である藤原頼忠を味方につける必要があったからです。それを実現するためには、兼明を皇族に復帰させる必要があり、その際に昭平の復帰も同時に行うことで、藤原氏内部の政治的な角度を穏便に収める意図があったとされています。

その後、永観2年（984年）には三井寺において権僧正智弁のもとで出家しました。出家後、彼は山城国愛宕郡岩倉、大雲寺に住むことになります。昭平親王は三条朝の長和2年（1013年）6月28日に60歳で薨去しました。

能書家としての才能

昭平親王はその官歴や皇族の名誉だけでなく、能書家としての才覚でも知られていました。彼の書の作品は、平安時代の美に対する感受性を示し、その後の文化に多大な影響を与えたと言われています。

官歴

• - 天徳4年（960年）10月2日：臣籍降下（源朝臣姓）
• - 安和元年（968年）8月25日：元服
• - 同年11月27日：従四位上、右兵衛督
• - 時期不詳：正四位下
• - 貞元2年（977年）4月21日：親王宣下、四品、元正四位下行右兵衛督
• - 時期不詳：常陸太守
• - 永観2年（984年） 日付不詳：出家
• - 長和2年（1013年）6月28日：薨去

系譜

• - 父：村上天皇
• - 母：藤原正妃（藤原在衡の娘） - 更衣
• - 妻：藤原高光の娘
• - 女子：藤原公任室 - 藤原道兼の養女

昭平親王の生涯は、平安時代の政治と文化を映し出す貴重な一ページです。彼の複雑な立場、皇族としての苦悩、さらには文化人としての活動は、今日においても多くの研究対象となっています。

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