昼神温泉

昼神温泉

昼神温泉は、長野県下伊那郡阿智村に位置する温泉地です。その歴史は比較的浅く、1973年（昭和48年）に国鉄中津川線のトンネル工事中に偶然発見された温泉が起源とされています。しかし、それ以前にもこの地域には温泉が存在したという伝説も残っています。

源泉

現在、昼神温泉では複数の源泉井から温泉水が供給されており、これらの源泉井はすべて昼神断層の北側、阿知川の右岸に位置しています。源泉でのpHはいずれも9を超えるアルカリ性を示しています。特に、第4号井と第5号井が主力として利用されています。

泉質

昼神温泉の泉質は、アルカリ性単純硫黄泉です。湧出地点でのpHは9.7と高い数値を示します。一般的に、日本列島の花崗岩質の深い場所を掘削して得られる温泉水は、アルカリ性単純泉であることが多く、昼神温泉もその例に該当します。

温泉地

昼神温泉の温泉街は、かつてタバコ栽培が盛んな地域でした。しかし、1973年の温泉発見を機に、温泉街として急速に発展しました。1975年には最初の宿泊施設が開業し、その後も多くの宿泊施設が建設されました。中京圏からのアクセスが良いことも、この発展を後押ししました。現在では20軒以上の宿泊施設があり、長野県南部随一の温泉街となっています。また、阿智村の条例により、ネオンサインや風俗店などの出店が制限されており、規模の割に落ち着いた景観が保たれています。

温泉施設

昼神温泉には、以下の温泉施設があります。

足湯（無料）
ふれあいの湯
あひるの湯
温泉水プール
公共の温水プールもあり、温泉水を利用したプールとして人気があります。

朝市

温泉街の中心部には「朝市広場」があり、朝6時頃から営業しています。ここでは、地元で採れた野菜や加工品、長野県南部で伝統的に食されてきたイナゴの佃煮などが販売されています。

周辺情報

アクセス
車: 中央自動車道の飯田山本ICまたは園原ICから約10分です（園原ICは名古屋方面のみ利用可能）。
鉄道: JR飯田線の飯田駅から信南交通バスで約30分です。運行本数は平日4往復、土日祝日2往復です。
高速バス: 中央道高速バスの駒場バス停または中央道昼神温泉バス停から車で約10分です（両バス停は同じ場所にあり、運行会社により名称が異なります）。名古屋-飯田線の一部は昼神温泉郷を経由します。

歴史

昼神は、かつて旧官道東山道の道筋であり、延喜式内社「阿智神社」の鎮座地でもあります。古くから知恵の神「思兼命」とその氏族が住んでいた地域です。また、数キロメートル先には東山道の阿知駅の推定地である駒場集落があります。

一般的に、昼神温泉は1973年に発見された歴史の浅い温泉として知られていますが、江戸時代中期（約250年前）には既に温泉が湧出していたという記録もあります。ただし、この温泉が現在の昼神温泉と同じものかは不明です。この古い温泉は、後の災害（土砂崩れ）によって埋没し、所在不明になったとされています。

1711年（正徳元年）: 『湯屋権現』の記載があります。
1740年（元文5年）: 宮崎言周の『信州伊奈郡村鑑』に温泉が湧き出し、近郷の人々が湯治に来ていたという記述があります。
1973年（昭和48年）
1月14日: 国鉄中津川線建設工事のトンネル掘削中に温泉が湧出しました。
11月9日: 湯の洞地籍で試掘を開始しました。
11月28日: 掘削深度40.2mで、泉温32.5℃、毎分200リットルの温泉が湧出しました。
1975年（昭和50年）
6月23日: 温泉開発のため阿智開発公社が設立されました。
1976年（昭和51年）
2月20日: 村営保養センター「鶴巻荘」が設置されました。
1988年（昭和63年）
3月30日: 昼神温泉観光センターが設置されました。

関連項目

中津川温泉クアリゾート湯舟沢: 同じく中津川線建設時に湧出した温泉です。
落合博満: 中日ドラゴンズの選手時代に自主トレーニングをしていた時期があります。

脚注

注釈

出典

参考文献
阿智村誌編集委員会『阿智村誌』阿智村誌刊行委員会発行、1984年

外部リンク
温泉観光局【公式ホームページ】'>昼神温泉観光局【公式ホームページ】

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