1981年4月から
1984年3月までフジテレビ系列で放送された『
時代劇スペシャル』は、毎回異なる物語で構成される2時間の
時代劇テレビ映画の枠組みです。この番組は、
視聴率が低迷していた同局の
金曜日の夜に新しい息吹をもたらそうとした革新的な
プロジェクトの一端です。
背景
1980年代初頭のフジテレビは、特に
金曜日と
土曜日のゴールデンタイムにおいて、
視聴率が一ケタに落ち込む番組が多く、状況は厳しいものでした。これを打破するために、編成部は
金曜日の夜に新しい視聴者を獲得することを目指し、新作
時代劇を放送することを決定しました。
時代劇は過去に一定の人気を博しており、特に『
三匹の侍』や『銭形平次』などの成功が記憶に残っていました。この点に着目した専務の
村上七郎は、
時代劇復活の可能性を感じ、
プロジェクトを進めることにしました。
新たな試みを推進するため、村上はディレクターの岡田太郎に声をかけました。岡田は
時代劇の経験がなかったものの、村上の提案を受け入れ、
時代劇制作チームを編成することになりました。
プロジェクトチームのメンバーには、編成部から訓練されたスタッフが集まり、岡田が指揮を執る形となったのです。こうして、
1981年4月に
プロジェクトが始動しました。
放送のスタート
『
時代劇スペシャル』は
1981年4月17日に初回が放送され、その記念すべき第1回は
長谷川伸原作の『
沓掛時次郎』で、主演は大川橋蔵が務めました。
視聴率は17.3%を記録し、その後も
若山富三郎の出演による『御金蔵破り』が19.2%を達成するなど、
視聴率は好調でした。これにより、フジテレビは久しぶりに他局との
視聴率争いに参加できるほどの成功を収めました。
盛衰と変化
しかし、番組開始から約1年後、
視聴率は徐々に下降し始めました。特に、
五社英雄が監督した『
丹下左膳 剣風!百万両の壺』がピークであった後、
時代劇は目新しさを失い、定番のシリーズ物が増えるようになりました。
1983年10月には放送枠が移動したため、さらなる
視聴率の低下が見られました。
最終的に、『
時代劇スペシャル』は
1984年3月に終了し、3年の歴史を閉じましたが、その試みはフジテレビにとって新たな視聴者層を開拓するきっかけを提供しました。
放送の詳細
この番組は、金曜の20:02から21:48に放送され、
1983年9月からは、予告番組『
時代劇ニュース』が設けられました。その後、
1983年10月には放送曜日を
木曜日に移動し、毎週21:02から22:48の時間帯に変更されました。再放送も行われており、視聴者にとって切れ目なく楽しめる状況を提供しました。
結論
『
時代劇スペシャル』はフジテレビにおける重要な
時代劇の試みであり、
視聴率の回復を図る巧妙な戦略の象徴でもありました。多くの視聴者にその魅力を伝え、新たな
時代劇ファンを生み出した功績は大きいです。