時子山和彦

時子山 和彦の経歴と業績

時子山 和彦（とこやま かずひこ）は、1936年7月22日に東京府で生まれ、1986年12月21日に他界した日本の経済学者です。彼は主に計量経済学を専門とし、一橋大学経済学部の教授として、経済学の研究と教育に情熱を注ぎました。時子山の父は早稲田大学の第9代総長を務めた時子山常三郎であり、彼自身もまた優れた学者として日本の経済学界に大きな影響を与えました。

学術的業績

時子山は、荒憲治郎の指導のもと、20年間にわたり一橋大学で計量経済学および理論経済学の分野で研究を行いました。彼は多くの学生を指導し、その中には須賀晃一（早稲田大学副総長）なども含まれています。時子山の研究成果は、消費構造において最大の効用を得るためには利潤率が一様である必要があることを明らかにしました。この理論は当時、消費税の導入を目指す政策において重要な役割を果たしました。

略歴

時子山は1959年に早稲田大学第一政治経済学部経済学科を卒業し、1962年には早稲田大学第一理工学部数学科を卒業しました。その後、1964年に一橋大学大学院経済学研究科の修士課程を修了し、経済学修士の学位を取得しました。1967年には博士課程を修了し、一橋大学経済学部で講師としての職を開始しました。1971年に助教授、1977年には教授に昇任し、1985年には学生部長としても活躍しました。残念ながら、1986年には大腸癌により50歳で逝去しました。

著作

時子山和彦は、いくつかの著書を執筆しており、特に注目されるのが『日本経済の計画モデル』（1968年）や『産業構造と消費構造 理論と実証』（1987年）などです。また、彼は他の研究者との共著や翻訳も手掛けました。特に、W. レオンチェフによる『数理経済学』の日本語訳は、経済学の教育において非常に有益な貢献となりました。さらに、時子山は『ターンパイク・モデル（多部門最適化モデル）』や『近代経済学 I ミクロ経済の理論』などの研究書でもその名を残しています。

最後に

時子山和彦は、日本の経済学界において計量経済学の発展に大きく貢献し、多くの業績を残しました。彼の研究は、今でも経済学の教育や実務において重要な指針とされています。また、彼の学生たちもその理念や理論を引き継ぎ、経済学のさらなる発展に寄与しています。時子山の業績は、彼自身の学問に対する情熱を表すものであり、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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