時計仕掛けの破壊神

時計仕掛けの破壊神

『時計仕掛けの破壊神』は、テーブルトークRPG『アルシャードff』のリプレイ作品であり、田中信二がゲームマスターとして執筆し、石田ヒロユキによるイラストが魅力的な一冊です。本作は2005年から2007年の間にかけて、全10回にわたって『ゲーマーズ・フィールド』に連載され、2008年にエンターブレインにより単行本化されました。物語は4部構成で、各部は1セッションにつながっています。

概要

『アルシャードff』は2005年に世に出た『アルシャード』の改訂版であり、この作品はその初のキャンペーンリプレイとして位置づけられています。掲載誌『ゲーマーズ・フィールド』は、長い間『セブン＝フォートレス』のキャンペーンリプレイを特集していましたが、版変更に伴い中断していたその隙間を埋めるべく本作が登場しました。物語は真帝国とその秘密結社との壮大な戦いを描きつつ、各話ごとに個性的なボスたちと壮絶な戦闘が展開されるのが特徴です。

あらすじ

物語は、反真帝国を掲げる空賊グラーフ・シュペーが、ハンターギルド「ノルン」のウィンカスター支部長ナガセ・ミナから得た情報をもとに、バルタザール要塞へと攻撃を仕掛けるところから始まります。彼は「真帝国の秘密兵器」なるものを求めていましたが、実際には何も見つけられませんでした。その後、謎の大型カプセルを見つけ、そこから目覚めたエクスという少年は、戦闘技術と名前以外の記憶を失っていました。

彼は自分自身が何であるかも知らぬままグラーフと共に行動し、帝国の刺客と遭遇します。彼ほどの存在が狙われる理由は、過去に「人造救世主計画」に関与していたからです。エクスの運命を変えたサツキとエリーという女性たちは、彼を保護しつつ共に戦う仲間となり、エクスは自身の過去と記憶を探る旅に出ざるを得ませんでした。

登場人物・用語

本作にはさまざまなキャラクターが登場します。プレイヤーキャラクター、つまりPCたちはそれぞれ異なる背景を持つキャラクターで構成されています。エクスは強力な戦士でありながら記憶を失った少年。エリーとサツキは彼に関わる重要なキャラクターで、サツキは彼をサポートする戦士であり、エリーはアカデミーの特異な学生です。

また、経歴のある反真帝国の活動家や、関係者たちが物語に影響を与えていきます。さらに「人造救世主計画」に関わる「候補者」たちは、エクスの存在を貴重とし、彼を巡る決闘を繰り広げます。

人造救世主計画

人造救世主計画は、ミッドガルドにおける危機を打破するために真帝国が推進していた計画です。ここでは、候補者たちが互いに戦い、最終的な救世主を決める宿命を背負っていますが、エクスの暴走を機に計画は凍結されました。この計画の影響を受けた者たちは、再び計画を存続させんと暗躍することになります。

結論

『時計仕掛けの破壊神』は、冒険の中でキャラクターたちの成長や葛藤、組織間の陰謀が交錯する中で、主人公たちが自身の運命を切り開いていく物語です。緊迫した戦闘シーンと共に、キャラクターの成長を描くストーリーはTRPGファンを魅了し、長く愛される作品となっています。

もう一度検索