時調

時調（じちょう）

時調は、14世紀頃に高麗末期に成立したと考えられている朝鮮の定型詩です。この詩は、李氏朝鮮時代に特に広まりました。「時調」という名称は李朝第21代王・英祖の時代から使われており、それ以前は「短歌」や「長短歌」、「新調」といった呼称も存在しましたが、現在ではこれらの用語はあまり用いられていません。ここでの「時調」という言葉は、「時節歌調」の略称であり、一般的に「流行歌」を意味しています。特に詩人の李世春がこの名称を創出したとされています。

時調の起源については様々な説があります。一説には、巫女が歌ったことから始まったという説、また別の説では郷歌からの発展を示唆しています。加えて、高麗時代の歌謡である『満殿春別詞』が起源であるという考え方も存在します。当初、時調は主に両班（貴族階級）によって作られ、内容は儒教の思想を反映したものが多かったですが、時間の経過とともに自然の美しさを表現した牧歌的な要素や叙情的な要素が次第に増えてきました。妓生（妓女）たちが詩を作るようになると、人間の具体的な感情をより豊かに歌い上げることが多くなりました。

時調の形式

時調は、通常3章6句から成り、約45字で構成されています。基本的には三四調または四四調が用いられますが、日本の和歌や俳句のように厳格な縛りがあるわけではなく、若干の字数の変動は許されています。しかし、終章の最初の句節は必ず3音節でなければならず、2番目の句節は5音節以上である必要があります。この句の数え方には2つの論があり、一つは三四調または四四調で1つの句として全6句とカウントする説、もう一つはそれぞれを独立した句として全12句とする説です。

例

• - 三四調

初章　　○○○　○○○○ 　　 　○○○　　○○○○
中章　　○○○　○○○○ 　　 　○○○　　○○○○
終章　　○○○　　○○○○○　 　○○○○　 ○○○

• - 四四調

初章　　○○○○　○○○○ 　　 　○○○○　　○○○○
中章　　○○○○　○○○○ 　　 　○○○○　　○○○○
終章　　○○○　　○○○○○　 　○○○○　 ○○○

これらの形式に従って作られた時調は「短型時調」または「平時調」と呼ばれます。また、句の一つが長くなった場合は「中型時調」や「旕時調」とし、二つ以上の句が長くなると「長形時調」や「辞説時調」と称されます。何篇かの時調が連結して意味を成すものは「連時調」と呼ばれるほか、初章と終章だけのもので中章のないものは「両章時調」とし、初章のみの時調は「単時調」とされます。子ども向けにアレンジされた時調は「童時調」と呼ばれます。

最も一般的に作られるのは、定型に従った「平時調」です。

時調集

時調は多くの著作に収録されています。代表的なものとして、金天沢の『青丘永言』（1728年）、金寿長の『海東歌謡』（1763年）、朴孝寛と安玫英の『歌曲源流』（1876年）、松桂煙月翁の『古今歌曲』、白景炫の『東歌選』、および『南薫太平歌』などがあります。また、崔南善の『百八煩悩』（1926年）、李殷相の『鷺山時調集』（1931年）、李秉岐の『嘉藍時調集』（1947年）、鄭寅普の『薝園時調集』（1948年）なども重要です。

参考文献

時調についての詳細な研究は、金思燁の『朝鮮のこころ』（1972年）や裴成煥の『韓国の古典短歌 ──古時調のいぶき』（1986年）などで紹介されています。さらに、尹学準の『朝鮮の詩ごころ「時調」の世界』（1992年）や、瀬尾文子の『時調四四三首選』（1997年）、廣岡冨美の『韓国近現代時調選集』（2000年）も参考になります。

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