時間超人

時間超人（じかんちょうじん）

時間超人は、ゆでたまごの漫画『キン肉マンII世』および『キン肉マン』に登場する、時を操る特殊な能力を持つ超人たちの勢力です。彼らは、物語において重要な役割を担い、その存在は物語の展開に大きな影響を与えています。

概要

時間超人は、『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』で初めて登場しました。正義超人、残虐超人、悪魔超人、完璧超人に次ぐ第五の勢力として位置づけられ、特に残虐超人の変種とされています。彼らの最大の特徴は、頭部に生えた魔時角（まじかく）と呼ばれる時計の長針に似た角です。この角を折ることで、生涯に一度だけタイムスリップする能力を得ることができます。また、時間超人には共通して、身体や服装に独特の紋様が見られます。

作中では、時間超人の遠い祖先として「フランスの軍神」と呼ばれる歴史上の人物が登場し、彼が常に被っている三角帽子は、魔時角を隠すためのものだったという設定が語られています。この設定は、時間超人の存在に歴史的な背景を与え、物語の深みを増しています。

『キン肉マン』では、時間超人は刻の神によって生み出された特別な力を持つ超人であることが明かされています。刻の神は、慈悲の神が発明し、調和の神によって封印された禁術「神による超人製造術」を復活させ、時間超人を次々と生み出し、宇宙のバランスを崩壊させようとしています。これにより、時間超人は単なる超人勢力としてだけでなく、宇宙の根源的な問題に関わる存在として描かれています。

さらに、時間超人の中でも特に強力な存在として「五大刻」が登場し、彼らが神々と同じ1億パワーを持つことが示されています。五大刻は、時間超人の勢力を代表する存在として、物語において重要な役割を担っています。

正義・時間超人

正義・時間超人は、残虐超人の血を引くものの、正義の心を持つ者たちです。彼らは、魔時角の力を悪用することなく、平和を愛し、正義のために戦います。

主要な正義・時間超人

カオス・アヴェニール：時間超人アヴェニール王国の王子。父を悪行超人に殺害され、復讐のために戦います。
ミニッツ・アヴェニール：カオスの父で、アヴェニール王国の王。ライトニングとサンダーによって殺害されます。
ホーラ・アヴェニール：時間超人の始祖。残虐超人でありながら、正義の心を持ち、魔時角を悪用しませんでした。

経緯

ホーラ・アヴェニールを始祖とする時間超人の一族は、魔時角を持つが故に、その能力を悪用することを恐れ、「正義・時間超人」と名乗り、魔時角の使用を厳禁しました。彼らは辺境の惑星に移住し、アヴェニール王国を築き、平和に暮らしていましたが、魔時角の悪用を企む悪行・時間超人のライトニングとサンダーによって王国は滅亡。カオスのみが生き残りました。

悪行・時間超人

悪行・時間超人は、魔時角の力を使って悪事を働く時間超人です。彼らは、全宇宙を支配し、悪行超人の楽園を作ろうと企んでいます。

主要な悪行・時間超人

ライトニング：時間超人1号で、世界五大厄のリーダー格。残忍で狡猾な性格で、スピードを生かした攻撃を得意とします。エヴォリューションマウスピースによって加速能力を得ます。
* サンダー：時間超人2号で、ライトニングの相棒。大柄で屈強な肉体を持ち、パワーを駆使して戦います。ライトニング同様にエヴォリューションマウスピースにより加速能力を得ます。

経緯

ライトニングとサンダーは、アヴェニール王国で生まれ、魔時角の力を悪用することを禁じる一族に反発しました。彼らは、1500人もの国民を殺害し、自らの故郷を壊滅させました。その後、伝説超人を抹殺するために過去へタイムスリップし、究極の超人タッグ戦を引き起こす原因となります。

彼らは、「世界五大厄」と名乗り、数々のツープラトン技を駆使して戦います。彼らは、互いを「兄弟」と呼びますが、実際には友情や絆は存在せず、利害関係のみで繋がっています。しかし、心の奥底では互いを信頼しあっている一面も見られます。

彼らの奥の手として、エヴォリューションマウスピースを逆さに咥えることで、肉体を過去の状態に戻す「肉体時計逆回転」という技があります。ただし、これは肉体に大きな負担がかかるため、多用はできません。

戦闘スタイルと能力

ライトニングとサンダーは、共にエヴォリューションマウスピースを装着することで、体内のエキゾチック物質を使い、身体の周囲の時間軸をわずかにずらすことで加速能力を発動させます。これにより、高速移動や相手の攻撃からの回避が可能になります。また、ライトニングは鎌状の刃物を使った攻撃、サンダーは怪力と爪を使った攻撃を得意としています。

究極の超人タッグ編での活躍

究極の超人タッグ編では、ライトニングとサンダーは、伝説超人や新世代超人を苦しめ、数々の激戦を繰り広げました。彼らは、ロビンマスクを殺害し、ケビンマスクを消滅させようとするなど、物語の重要な転換点に関わっています。

彼らは、決勝戦でキン肉万太郎とケビンマスクのタッグチーム「ザ・坊ちゃんズ」と対戦し、激闘の末に敗北しました。ライトニングは自害し、サンダーもその後、時空船を動かすためにエキゾチック物質を使い果たして死亡しました。

『キン肉マン』に登場する時間超人

『キン肉マン』では、ドミネーターとエル・カイトといった新たな時間超人が登場しています。これらの時間超人は、刻の神によって生み出され、宇宙のバランスを崩壊させようとする存在として描かれています。また、ザ・ガストマンという時間超人も登場し、その出自は物語の謎を深めています。

まとめ

時間超人は、時を操る能力を持つ魅力的な超人たちです。彼らの存在は、『キン肉マン』シリーズに新たな展開をもたらし、物語の幅を広げています。正義と悪、過去と未来、絆と裏切りといったテーマを深く掘り下げ、読者に様々な感情を抱かせる存在です。その複雑な設定とドラマチックな展開は、多くのファンを魅了しています。

もう一度検索