景宗 (朝鮮王)

景宗（キョンジョン） - 李氏朝鮮の第20代国王

景宗（けいそう、1688年11月20日 - 1724年10月11日）は、李氏朝鮮の第20代国王として1720年から1724年まで在位していました。彼の本名は昀で、字は輝瑞です。粛宗の長男として生まれた景宗は、誕生時から特別な期待を受けて育ちました。

生い立ちと早期の経験

景宗は父・粛宗の喜びの対象であり、3歳の時には世子に指名され、次期国王としての未来が約束されていました。非常に知性的で、質問力に長け、書道も優れた才能を持っていました。しかし、1694年に母親がその地位を引き下げられた後、1701年には母が刑死するという悲劇に見舞われ、それが彼の心に深い影を落としました。こうした家庭の変化は、父からの冷遇にもつながり、景宗は次第に憂鬱な気持ちを抱えるようになりました。

统治と権力の変動

1720年、父の死去により即位すると、彼の治世は老論派が主導する政局でした。老論は、異母弟の延礽君を世弟に立てることで国の運営をコントロールしようとし、景宗の健康問題もあって彼の子を持つ可能性は低いと見られていました。しかし、1719年には金一鏡が老論を批判し、彼らは流刑に処されるという動乱の時代が続きます。1722年には、景宗暗殺の陰謀が発覚し、その結果、権力が少論に移っていきました。

急逝と遺族

景宗は、延礽君を排除するために王族が養子を迎える計画を立てていましたが、彼が急死したことでその計画は実現しませんでした。彼の死因については諸説あり、蟹醤や柿を摂取したことで体調を崩したとされ、また、老論派による暗殺の可能性も指摘されています。彼は35歳という若さで亡くなり、ソウル城北区石串洞の懿陵に埋葬されました。

諡号とその影響

清から贈られた諡号は「恪恭王」で、この名称には清に対する朝鮮の従順さが反映されていました。しかし、景宗はこの諡号を著記から取り除くことを望み、『朝鮮王朝実録』など版籍からは事実上排除されました。その理由は、清からの諡号を恥じ、表向きは従順に見せかけつつも深い反発を抱いていたからとされています。

家族とその後

景宗は、正室として端懿王后沈氏を迎えましたが、彼女は世子嬪の時代に早く亡くなり、その後は宣懿王后魚氏を迎えました。残念ながら、彼には子供がいなかったため、李氏朝鮮王朝の血統は途絶えてしまいました。

文化における景宗の姿

景宗が登場する作品としては、テレビドラマ「トンイ」や「テバク〜運命の瞬間〜」、「ヘチ 王座への道」などがあります。これらの作品を通じて、彼の功績や困難な生涯が描かれています。

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