晴海客船ターミナル

晴海客船ターミナルの歴史と役割

晴海客船ターミナルは東京都中央区晴海に位置する東京港のフェリーターミナルであり、1991年に開業しました。このターミナルは、東京港開港50周年を記念して設立され、その後、22年にわたって多くの観光客や地元の人々に利用されてきました。2022年2月20日に閉館したことで、その歴史に幕を下ろしましたが、ターミナルは長い間東京港のシンボルとして認識されていました。

開業と設計の背景

晴海客船ターミナルは、1964年の東京オリンピックの開催を受けて設置された鉄筋2階建ての晴海船客待合所を基に建設されました。この建物は、東京臨海副都心整備事業の一環として新たに設計され、竹山実によって設計された鉄筋コンクリート造の6階建てです。延べ面積は17,638平方メートルに及び、屋上には展望台を備えていました。さらに、敷地内には海上保安庁晴海信号所も存在し、海上交通の安全を支えていました。

ターミナルの役割とイベント

晴海客船ターミナルは、毎年5月に行われる「東京みなと祭」のメイン会場としても知られていました。この祭りは、1941年の東京港開港記念日を祝うイベントであり、多くの観光客が訪れる人気の行事でした。また、ターミナル周辺は東京都立晴海ふ頭公園に隣接し、「仮面ライダーシリーズ」や「ウルトラマン」、「特捜エクシードラフト」などの特撮作品やテレビドラマの撮影場所としても使用されていました。

閉館の理由

晴海客船ターミナルは、かつて国際クルーズ路線に対応した出入国管理設備を備えていましたが、1993年に開通したレインボーブリッジの影響を受け、パナマックスサイズの大型クルーズ客船が寄港できない状況となりました。大型客船の寄港地としては、横浜港が取って代わる形となり、ターミナルの役割は次第に縮小していきました。特に、象徴的な大型客船であるクイーン・エリザベス2（QE2）が干潮時にしか通れない設計であったことから、実際にその姿を見ることはありませんでした。

その後、東京都港湾局は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に合わせ、新たに東京国際クルーズターミナルを江東区青海に設置することになり、晴海客船ターミナルは2022年2月20日に閉館しました。跡地は晴海ふ頭公園の一部として整備される予定であり、新たな客船受け入れ施設としての利用が期待されています。

結論

晴海客船ターミナルの閉館は、東京港の歴史の一部として語り継がれるでしょう。多くの思い出とともに、ターミナルは東京港の発展の象徴的な場所であり続けたのです。

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