智賀都神社

智賀都神社：歴史と自然が織りなす宇都宮の鎮守

栃木県宇都宮市徳次郎町に鎮座する智賀都神社は、地域住民にとって重要な信仰の中心であり、豊かな自然と歴史に彩られた神社です。778年、日光二荒山神社を勧請して創建されたと伝えられており、長い歴史の中で地域の人々の生活に寄り添い続けてきました。

由緒と祭神

社名の由来は、神社の鎮座地である「千勝森」からきています。主祭神は大巳貴命（おおなむちのみこと）で、田心姫命（たごりひめのみこと）、味耜高彦根命（あじすきたかひこねのみこと）の二柱の神々と共に祀られています。五穀豊穣、家内安全、無病息災のご利益があるとされ、古くから地域の人々の信仰を集めてきました。江戸時代には徳川氏からも崇敬を受け、社領の寄進もあったと伝えられています。

3年に一度の盛大な夏祭り

智賀都神社の例祭は毎年8月1日に行われますが、最も注目すべきは3年に一度開催される附祭（つけまつり）です。徳次郎六か郷がそれぞれ山車（屋台）を運行し、神社に集結するこの祭りは、地域一体となって行われる一大イベントです。

各郷が保有する6台の屋台は、幕末から明治時代にかけて制作されたもので、宇都宮市指定有形民俗文化財に指定されています。宵祭と本祭で構成され、各郷を19時に出発した屋台は、日光街道を通って神社を目指します。神社境内に到着すると、迫力満点の「ぶっつけ」と呼ばれる囃子の競演が行われ、祭りは最高潮に達します。かつては、日付が変わる0時に「ぶっつけ」が始まり、夜通し露店や持ち寄ったご馳走を楽しみながら、明け方には囃子を奏でながら各郷へと戻っていったといいます。2004年からは、7月の最終金曜日（宵祭）と土曜日（本祭）に開催されるようになり、多くの人々が集まる盛大な祭りとなっています。

圧倒的な存在感を誇るケヤキの巨木

智賀都神社の鳥居の両脇には、樹高約40メートルにも及ぶケヤキの巨木がそびえ立っています。樹齢は約700年と推定され、栃木県指定天然記念物、そして「とちぎの名木百選」にも選定されています。東側のケヤキの目通り周囲長は約8メートル、枝張りは東西約26メートル、南北約44メートルにも及びます。西側のケヤキも、目通り周囲長約7.3メートル、枝張りは東西約23メートル、南北約37メートルと、その大きさは圧巻です。樹勢は衰えつつあり、幹の下部は空洞になっている箇所もありますが、1994年には樹勢回復措置が取られています。神社から北西約500メートル離れた場所には、樹齢がほぼ同じとされる「上徳次郎のケヤキ」があり、「兄弟」と伝えられています。

アクセス

智賀都神社へは、自動車、公共交通機関のいずれも利用可能です。自動車の場合は、宇都宮市街から日光街道（国道119号）を北上し、徳次郎交差点から北へ約800メートル進みます。ただし、神社には駐車場がないため、近隣の駐車場を利用する必要があります。公共交通機関の場合は、JR宇都宮駅から関東自動車の日光方面行きバスに乗車し、「晃陽中前」バス停下車、徒歩約1分です。

まとめ

智賀都神社は、歴史と自然が織りなす魅力あふれる神社です。778年の創建以来、地域の人々の信仰を集め、長い歴史の中で大切に守られてきました。3年に一度の夏祭りや、圧倒的な存在感を誇るケヤキの巨木は、訪れる人々を魅了するでしょう。宇都宮を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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