暴力追放運動推進センター

暴力追放運動推進センターについて

暴力追放運動推進センター（以下、暴追センター）は、暴力団員による不当な行為を防止し、その被害からの救済に寄与することを目的として設立された法人です。各都道府県に一つずつ、都道府県公安委員会によって指定された「都道府県暴力追放運動推進センター」と、国家公安委員会によって指定された「全国暴力追放運動推進センター」があります。

スローガンと原則

暴追センターは、暴力団排除のためのスローガンとして「暴力団追放三ない運動」を提唱しています。

暴力団を恐れない
暴力団に金を出さない
* 暴力団を利用しない

また、企業が暴力団に対応する際の指針として、「暴力団対応10原則」を推奨しています。

1. 相手を確認する
2. 用件を確認する
3. 相手より多い人数で、自社内で対応する
4. 言動に注意する
5. 安易に署名・押印はしない
6. 相手の要求に応じ即断、即答はしない
7. 一時的には担当者が対応する
8. 湯茶の接待はしない
9. 会話や応対の内容を記録する
10. 警察や暴追センターに通報する

企業へのアンケート調査

暴追センターは、企業における反社会的勢力との関係遮断に関する意識や取り組みを把握するため、アンケート調査を実施しています。調査結果からは、企業の社会的責任、企業防衛、正義の観点から、反社会的勢力との関係遮断を支持する企業が多数を占めていることがわかります。多くの企業が、倫理綱領や内部統制システムに反社会的勢力との関係遮断に関する規定を設けています。一方で、「当たり前のことなので、わざわざ明文で規定する必要性を感じなかった」という意見もあり、企業によって反社会的勢力に対する危機感に差があることが示唆されています。

暴力団の現状と対策

暴力団は、組織の不透明化、資金獲得活動の多様化、組織の寡占化、国際化、マフィア化を進めており、その活動は社会全般に浸透しています。近年では、暴力団関係者が背景にある「えせ右翼」や「えせ同和行為」といった不当要求も多様化・巧妙化しており、企業は対応に苦慮しています。このような状況に対し、暴追センターは、事業者や国民による暴力排除活動を促進するため、認知度向上と各種情報の効果的な提供、助言、指導を行っています。

被害を防止するために

暴力団は組織実態を隠蔽する傾向が強く、その資金獲得活動も巧妙化しています。そのため、暴力団排除意識が高くても、知らずのうちに暴力団の関与する取引を行ってしまう可能性があります。反社会的勢力は、善意を装う悪徳商法を日常的に行っており、一度関係を持つと抜け出すことが困難です。このような被害を防止するためには、内部統制システムに反社会的勢力との関係遮断を明確に位置付けることが重要です。

代理訴訟制度

2013年からは、地域住民に代わり、地域の暴追センターが暴力団事務所の立ち退きを求める訴訟を代行する制度が整備されました。これにより、暴力団事務所の移転が進んでいます。

各都道府県の暴力追放運動推進センター

(各都道府県のセンター所在地リストは省略)

暴追センターは、暴力団排除に向けた様々な活動を通じて、安全で安心な社会の実現に貢献しています。

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