曙 (吹雪型駆逐艦)

駆逐艦「曙」

概要

「曙（あけぼの）」は、日本海軍における駆逐艦の一つであり、吹雪型駆逐艦の18番艦に該当します。この艦は、過去に「曙」の名前を持つ雷型駆逐艦に続く2隻目となります。艦歴を通じて、様々な戦闘に参加したことから、日本艦艇の中でも特に記憶に残る存在となっています。

艦歴

初期の歴史

曙は1930年に大阪市の藤永田造船所で建造され、進水は同年11月7日、就役は1931年7月31日でした。就役後、曙は一等駆逐艦として第2艦隊第7駆逐隊に編入されました。1932年には、第一次上海事変における長江水域の作戦に参加し、その後も日本国内外の様々な作戦に従事しました。

1935年9月26日には、第四艦隊事件において艦尾に歪みと亀裂が生じる被害に遭入します。1937年以降は日中戦争においても重要な役割を果たし、上海や杭州湾上陸作戦、さらには仏印の作戦にも従事しました。

第二次世界大戦の参加

1941年12月には、真珠湾攻撃に際して第7駆逐隊が第一航空艦隊に配属されましたが、曙は航続力の不足のため直接の攻撃には参加できず、日本近海の哨戒業務に従事しました。なおながら、第7駆逐隊の一部はミッドウェー島砲撃に参加するなど、作戦行動を継続しました。

1942年、曙は空母「飛龍」と「蒼龍」を護衛して呉を出港し、アンボン上陸作戦を支援しました。この年の後半にはスラバヤ沖海戦で英重巡「エクセター」への攻撃を受けながらも、僚艦と協力して敵艦隊の撃沈に貢献しました。

その後も曙はトラック諸島や珊瑚海での戦闘に関与し、1944年には第5艦隊に配属されました。1月には姉妹艦「漣」の沈没に際して生存者の救助を行い、1月末には修理のために横須賀へ戻りました。

10月24日にはレイテ沖海戦に参戦し、重巡「最上」を護衛している最中に空襲を受け、沈没間際の同艦から700名以上の生存者を救助しました。続けて、マニラへの輸送作戦を遂行し、11月の中旬には米軍の空襲を受けて大きな損傷を負い、航行不能となりました。

戦後

日本の敗戦後、曙は1955年から1956にかけて外国にて浮揚・解体され、残された艦体が去ることとなります。この解体作業は、フィリピン政府の財政難と戦後賠償事業の一環として行われました。

歴代艦長

曙の艦長には多くの指導者が存在し、それぞれの時代を支えました。艤装員長から艦長までの間には、板垣盛少佐や河西虎三中佐、天谷嘉重少佐などが名前を挙げられ、その指揮の下で艦は多くの戦闘を経験しました。

参考文献と資料

曙に関する情報は、様々な資料や文献より得られています。防衛省のアジア歴史資料センターをはじめ、多くの書籍や雑誌に詳細が記されています。

曙はその艦歴を通じて、日本海軍の中でも特に影響力のある艦船の一つとして、今でも多くの人々の記憶に残っています。

もう一度検索