曹真

曹真（そう しん）

曹真（? - 231年5月）は、中国三国時代の魏の武将。字は子丹（したん）。曹操の親族として仕え、魏の建国に貢献しました。特に、蜀漢の諸葛亮による北伐から魏を守り抜いた功績は大きく、魏の安定に大きく寄与しました。

生涯

若き日

曹真の父である曹邵は、曹操が挙兵した際に呼応しましたが、董卓方の黄琬との間で争いが起こり殺害されました。曹操は曹真を憐れみ、自ら引き取って養育しました。曹真は幼い頃から曹丕と起居を共にし、兄弟のように育てられました。

ある日、曹真が狩りをしていた際、虎に襲われましたが、馬上から放った矢で虎を射止めました。曹操は彼の勇猛さを称え、曹休とともに親衛隊「虎豹騎」の隊長に任命しました。

魏の重鎮として

曹操が漢中を巡り劉備と争うと、曹真は偏将軍として曹洪に従い、呉蘭らを破りました。夏侯淵が戦死すると、曹操から征蜀護軍に任じられ、徐晃らを指揮して劉備軍の高翔を破りました。曹丕が魏を建国すると、鎮西将軍に任じられ、雍州・涼州の軍事を統括し、各地の反乱を鎮圧しました。

曹丕の死後、曹叡（明帝）が即位すると、曹真は大将軍に昇進し、曹叡を補佐する重臣の一人となりました。

蜀征伐と死

曹真は、度々、蜀を征伐することを主張しました。230年、大司馬となった曹真は、曹叡に蜀征伐を認められ、自ら軍を率いて蜀へ侵攻を開始しました。しかし、長雨により進軍は困難を極め、撤退を余儀なくされました（子午の役）。

洛陽に帰還後、曹真は病に倒れ、翌年死去しました。曹叡は曹真の功績を讃え、手厚く弔いました。

曹真は、同族や同郷の者の子を養育するなど、情に厚い人物でした。また、将兵からの人望も厚く、軍の結束力も強かったと伝えられています。

『三国志演義』における曹真

『三国志演義』では、曹真は諸葛亮の知略の前に連敗し、司馬懿の引き立て役として描かれています。史実とは異なり、無能な将として描かれることが多いですが、民衆に広く親しまれている『三国志演義』の影響から、そのようなイメージが定着している面もあります。

補足

曹真の死後、嫡子の曹爽は曹叡の死後に政治の実権を握りましたが、司馬懿のクーデターにより失脚し、一族は滅ぼされました。その後、曹真の功績が認められ、曹熈が家を継ぐことが許されました。

曹真の業績を称えた石碑が発見されており、書道史的にも高い価値を持つとされています。しかし、碑文の一部が削られているなど、歴史の変遷を感じさせる痕跡も見られます。

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