曹休

曹休（そう きゅう）

曹休は、後漢末期から三国時代の魏に仕えた武将で、字は文烈（ぶんれつ）。曹操の族子にあたります。

生涯

若き日

戦乱の中、故郷を離れ父を早くに亡くしました。父の埋葬後、母と共に祖父が太守を務めていた呉郡に移り住みます。曹操が挙兵したことを知ると、変名を使って荊州を経由し、曹操の下へ駆けつけました。曹操は彼を「わが家の千里の駒」と称賛し、曹丕と同様に可愛がり育て、常に自身の征伐に従わせ、族兄弟である曹真と共に精鋭部隊である虎豹騎を指揮させました。

218年の漢中攻防戦では、騎都尉として曹洪の軍に加わり、事実上の主将として劉備軍の計略を見破り、呉蘭・雷銅らを打ち破り、張飛・馬超らを退却させるという功績を挙げました。その後、長安に帰還し、中領軍に任じられました。

呉との戦い

曹丕が魏王を継ぐと、領軍将軍・東陽亭侯に昇進。夏侯惇の死後、その跡を継いで鎮南将軍・仮節・都督諸軍事に任命され、呉に対する防衛の要として活躍しました。曹丕自ら手を取って見送るほどの厚遇を受けました。

夷陵の戦いの後、孫権が部将を歴陽に駐屯させると、これを破り、蕪湖の陣営を焼き討ちにしました。その後、全琮に反撃され犠牲者も多かったものの、使持節・征東将軍・揚州刺史に任じられ、安陽郷侯に封じられました。母の死後、曹休は悲しみに暮れましたが、曹丕から気遣われました。

魏が呉への攻勢を強めると、曹休は征東大将軍に任じられ、仮節鉞を与えられ、張遼ら26軍余りの総指揮を執りました。呂範率いる呉軍を洞口で迎え撃ちましたが、暴風雨により呂範の船団が壊滅。曹休は張遼・臧覇・賈逵・王凌らと共に呂範を攻撃し、多数の溺死者を出しました。臧覇に徐陵を襲撃させ勝利したものの、その後の追撃戦で臧覇が呉軍の徐盛・全琮に破れ、大敗を喫しました。その後、曹休は軍をまとめて撤退し、揚州牧に任命され、呉への備えを任されました。

晩年

226年に曹丕が崩御すると、後を継いだ曹叡（明帝）から長平侯に封じられました。孫権の将校である審徳を皖城で破り斬首。韓綜・翟丹ら呉の将軍が曹休に帰順した功績により、大司馬に昇進し、所領を加増されました。

228年、司馬懿・賈逵と共に三方面から呉を征伐する石亭の戦いを指揮しましたが、呉の周魴の偽りの降伏に騙され、10万の兵を率いて呉領深く侵入。陸遜の伏兵により挟撃され大敗を喫しました。王淩らの奮戦と賈逵の援軍により命からがら逃げ延びましたが、この敗戦のショックで悪性の腫瘍を患い、間もなく死去しました。享年55歳。壮侯と諡され、子の曹肇が後を継ぎました。

243年、曹芳（斉王）は曹操の廟庭に功臣20人を祀り、その中に曹休も含まれています。

陵墓

2010年、河南省洛陽市孟津県で曹休の墓が発見されました。陵墓からは、被葬者と思われる男女の遺骨や、曹休のものと断定できる銅製印章が出土しました。

三国志演義

小説『三国志演義』では、金禕らの反乱を鎮圧する場面や、曹丕の呉遠征に従軍し呂範に大敗する場面が描かれています。石亭の戦いでは、史実と同様に周魴の罠に嵌り陸遜に敗北し、賈逵の加勢で洛陽に帰還後、腫瘍により病没する様子が描かれています。

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