曽我兄弟 富士の夜襲

曽我兄弟 富士の夜襲：鎌倉時代の仇討ちを描いた時代劇巨編

1956年、東映によって製作・配給された『曽我兄弟 富士の夜襲』は、日本映画史における重要な時代劇作品の一つです。鎌倉時代初期を舞台に、曽我兄弟の悲劇的な復讐劇が、総天然色のイーストマンカラーで鮮やかに描かれています。本作品は、昭和31年度芸術祭にも出品されるなど、高い評価を受けました。

物語の舞台は、歴史に名高い曽我兄弟の仇討ち。 時代劇ファンにはおなじみの題材ですが、本作は単なる復讐劇にとどまらず、兄弟の葛藤や、時代背景、人間の業といった様々な要素が複雑に絡み合い、深いドラマ性を生み出しています。111分という上映時間の中に、緊迫感と感動が凝縮された、見応えのある作品に仕上がっています。

豪華スタッフ陣が結集した、見逃せない作品

監督を務めたのは佐々木康。他に、製作に大川博、原案に五都宮章人（「平凡」連載小説）、脚本に八尋不二といった、当時の日本映画界を代表する錚々たるスタッフ陣が集結しました。彼らの高い技術と情熱が、作品全体に高い完成度をもたらしています。

スタッフクレジット

監督：佐々木康
製作：大川博
原案：五都宮章人
脚本：八尋不二
企画：マキノ光雄、山崎真市郎、大森康正、小川貴也、植木照男
撮影：三木滋人
音楽：万城目正
美術：鈴木孝俊
録音：東城絹児郎
照明：中山治雄
編集：宮本信太郎
計測：脇治吉
進行主任：池田利次
装置：弥田勇造
背景：宮内省吾
装飾：小川満州造
記録：堀博子
衣裳：上野徳三郎
美粧：林政信
結髪：櫻井文子
スチール：熊田陽光
擬闘：足立伶二郎
助監督：加藤泰
撮影助手：鷲尾元也
照明助手：小林康信
録音助手：野津裕男
美術助手：角井博
編集助手：細谷修三
色彩助手：川上晃
演技事務：若林十一郎
進行：高岩淡
色彩考証：和田三造
衣裳考証：甲斐荘楠音
振付：藤間勘五郎
* 現像：東洋現像所

鮮やかなイーストマンカラーで彩られた映像美

本作はスタンダードサイズ、イーストマンカラー（総天然色イーストマン・東映カラー）で撮影されており、当時の技術を駆使した鮮やかな色彩が、作品の雰囲気をさらに高めています。現代の観客が見ても、その映像美に圧倒されることでしょう。

時代劇ファンのみならず、多くの映画ファンにオススメの一作

『曽我兄弟 富士の夜襲』は、歴史的な題材、豪華なスタッフ、そして美しい映像と、多くの魅力を兼ね備えた作品です。時代劇ファンはもちろん、日本の映画史に興味のある方、そして質の高い時代劇作品を鑑賞したい方にとって、必見の一作と言えるでしょう。

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