万城目正

万城目正（まんじょうめ ただし）

万城目正（本名：萬城目 侃、1905年1月31日 - 1968年4月25日）は、昭和時代に多岐にわたるジャンルで活躍した日本の作曲家です。

生涯

万城目は北海道十勝支庁幕別村（現在の幕別町）で生まれ、旧制中学校を卒業後、音楽家を目指して上京。武蔵野音楽学校で音楽の基礎を学びました。一時帰郷した後、再び上京し松竹楽団に入団。劇伴の作曲と指揮を担当する傍ら、映画音楽の分野でも才能を開花させました。

1938年に発表された映画『愛染かつら』の主題歌「旅の夜風」は、霧島昇とミス・コロムビアの歌唱で大ヒット。以降、数多くの映画音楽を手掛け、そのほとんどがコロムビア[[レコード]]から発売され、専属作曲家として長年にわたり活躍しました。

戦後もその勢いは衰えず、映画『そよかぜ』の主題歌「リンゴの唄」は並木路子の歌唱で国民的なヒット曲となりました。歌謡曲の分野では、高峰三枝子、美空ひばり、島倉千代子など、多くの人気歌手に楽曲を提供しました。

万城目は、歌手や俳優への歌唱指導にも熱心に取り組み、その経験を活かして1957年には松竹大船撮影所の近くに「万城目正歌謡音楽院」を開校し、後進の育成にも尽力しました。

多忙な日々を送る傍ら、家族旅行や趣味の時間を大切にし、酒や野球を楽しむなど、公私ともに充実した生活を送っていたようです。

1968年4月25日、63歳で永眠。墓所は宮城県仙台市の龍雲院にあります。

主な作品

万城目正は、映画音楽、歌謡曲、市町村歌など、幅広いジャンルで数多くの作品を残しました。以下に代表的な作品をいくつか紹介します。

歌謡曲

「旅の夜風」（1938年）：映画『愛染かつら』主題歌、霧島昇、ミス・コロムビア
「リンゴの唄」（1945年）：映画『そよかぜ』主題歌、並木路子、霧島昇
「悲しき口笛」（1949年）：美空ひばり
「東京キッド」（1950年）：美空ひばり
「越後獅子の唄」（1951年）：美空ひばり
「あの丘越えて」（1951年）：美空ひばり
「この世の花」（1955年）：島倉千代子

映画音楽

『そよかぜ』（1945年）
『懐しのブルース』（1948年）
『情熱のルムバ』（1950年）
『水戸黄門』（1957年）

市町村歌

横手市民歌（1951年）
* 草津市民歌（1964年）

万城目正の作品は、戦前・戦後の日本人の心を捉え、歌謡史に大きな足跡を残しました。彼のメロディーは、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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