曾我尚祐

曾我尚祐 (そが なおすけ)

曾我尚祐は、安土桃山時代の武将であり、江戸時代初期には幕臣として活躍しました。江戸幕府の右筆を務め、有職家、能書家としても知られています。諱は尚助とも記されます。

生涯

曾我尚祐は、室町幕府の幕臣を務めた奉公衆の家に生まれました。父は足利義輝に仕え、永禄の変後、足利義昭が近江和田城に退いた際、父と共に義昭に尽力しました。

天正元年（1573年）、足利義昭が槇島城で籠城の末に没落すると、父は義昭に従って河内国若江へ落ち延びましたが、当時まだ若かった尚祐はこれに従いませんでした。

その後、織田信雄に仕え、天正18年（1590年）に信雄が豊臣秀吉の勘気を受け改易され、出羽秋田へ配流される際にも従いました。

信雄の命を受け、徳川家康の元へ信雄の雪冤運動のために赴きました。同年8月4日、家康は尚祐に対し、秀吉の怒りが和らいだと伝えています。

信雄が伊予に移された際にも、これに従った14名の家臣の一人でしたが、後に豊臣秀吉の命により豊臣秀次の配下となりました。

文禄4年（1595年）に秀次が処刑されると、旧領である近江土山に閉居しました。その後、伊勢の滝川雄利領に移り、程なくして細川藤孝の推挙により、父と共に上洛し、秀吉に足利家の旧式（古式）を言上し、伊勢飯野郡に400石を与えられました。

慶長5年（1600年）冬、徳川家康に召され、足利家の法式を尋ねられ、故実などを教授することを求められ、江戸へ出仕することを命じられ、采地1,000石を与えられました。

翌慶長6年（1601年）より徳川秀忠の右筆となり、常勤の御夜詰となりました。尚祐は足が悪かったものの、登城の際には御台所付近までの乗輿を許されました。また、旧知の覚印周嘉を、博識かつ故実に明るい人物として秀忠に推挙しています。覚印は尚祐の菩提寺である海禅寺の開基でもあります。

寛永3年2月10日に死去。享年69。

著書

（詳細不明）

参考文献

堀田正敦『国立国会図書館デジタルコレクション 寛政重脩諸家譜. 第3輯』國民圖書、1923年、906-907頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1082714/462 (国立国会図書館デジタルコレクション)

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