最上敏樹

最上敏樹

最上敏樹（もがみ としき）氏は、1950年10月9日生まれの日本の法学者であり、国際法および国際機構論を専門としています。国際基督教大学および早稲田大学の名誉教授であり、その学術的な業績と社会的な貢献は高く評価されています。

来歴

最上氏は、1974年に東京大学法学部を卒業し、1980年には同大学大学院法学政治学研究科の博士課程を修了しました。博士論文は「欧州共同体の組織構造——超国家的組織論再構成の試み」と題されています。その後、国際基督教大学で教授を務め、2011年に名誉教授となりました。また、早稲田大学でも教授として教鞭を執りました。

1999年から2001年まで、最上氏は日本平和学会の会長を務め、平和研究の分野でもリーダーシップを発揮しました。2017年6月からは、アジア国際法学会日本協会の理事長に就任し、国際法の発展に貢献しています。

著作

最上敏樹氏は、国際法、国際機構論、平和研究に関する多数の著作を発表しています。主な単著としては以下のようなものがあります。

『ユネスコの危機と世界秩序――非暴力革命としての国際機構』（東研出版、1987年）
『国連システムを超えて』（岩波書店、1995年）
『国際機構論』（東京大学出版会、1996年／第2版、2006年）
『人道的介入――正義の武力行使はあるか』（岩波書店［岩波新書］、2001年）
『国連とアメリカ』（岩波書店［岩波新書］、2005年）
『国境なき平和に』（みすず書房、2006年）
『いま平和とは――人権と人道をめぐる9話』（岩波書店［岩波新書］、2006年）
『国際立憲主義の時代』（岩波書店、2007年）
* 『国際機構論講義』（岩波書店、2016年）

これらの著作は、国際社会の構造、国際機構の役割、平和構築の課題など、現代社会における重要なテーマを扱っており、学術的な価値が高いと評価されています。

また、編著として『岩波講座現代の法（2）国際社会と法』（岩波書店、1997年）があります。

さらに、翻訳書も手がけており、ピエール・ペスカトールの『EC法――ヨーロッパ統合の法構造』（有斐閣、1979年）、スタンリー・ホフマンの『国境を超える義務――節度ある国際政治を求めて』（三省堂、1985年）などを翻訳しています。

最上敏樹氏の研究は、国際法、国際機構論の発展に大きく貢献しており、その著作は、学術関係者だけでなく、政策立案者や一般読者にとっても、国際社会の理解を深める上で貴重な資料となっています。また、平和学会会長やアジア国際法学会日本協会理事長としての活動を通じて、国際的な協力と平和の実現に尽力しています。

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