最優秀選手賞 (MLB)

最優秀選手賞（MVP）

最優秀選手賞（MVP）は、メジャーリーグベースボール（MLB）において、シーズン中に特に目立ったパフォーマンスを発揮した選手に与えられる重要な賞です。一般的には「MVP」と略されることが多く、受賞選手はその年のリーグでの活躍を象徴しています。この賞は、レギュラーシーズン、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズ、オールスターゲームの各イベントで選出されることに加え、月間MVPや週間MVP、さらには月間新人MVPなど、さまざまな形式でも表彰が行われています。

シーズンMVPの選出

シーズンMVPは、全米野球記者協会（BBWAA）が実施する投票によって選ばれます。アメリカンリーグとナショナルリーグそれぞれから1名ずつ選出され、チームに対する貢献度が評価されます。正式には「リーグMVP」や「年間最優秀選手」と表記されることもあり、その重要性は非常に高いです。かつては「ケネソー・マウンテン・ランディス記念野球賞」と呼ばれていましたが、2020年代の人種問題に関連して、その名前は外されました。

BBWAAによる投票は透明性があり、受賞者の得票数は公表されるだけでなく、どの記者が誰に票を投じたかも開示されます。投票にはBBWAから選ばれた記者30名が参加し、トップ10選手に順位をつけて投票します。この際、1位には14ポイント、2位には9ポイントといった具合にポイントが与えられ、最も得点の高い選手がMVPに選ばれます。

受賞者の歴史

歴史的には、1997年のケン・グリフィー・ジュニアや2002年のバリー・ボンズ、2023年の大谷翔平など、満票を得てMVPを獲得した選手もいます。これは非常に稀なケースであり、選手がその年に注目すべき活躍をしたことを示しています。

最優秀選手賞のルーツは1910年に遡り、チャルマーズ自動車が首位打者に車を贈ったことから始まります。最初は首位打者を対象としたものでしたが、翌年には「最もチームに貢献した選手」に変更され、現在の形に至ります。1922年から1929年までの間はリーグごとに異なった投票制度が行われましたが、票が分散したことから表彰中止となりました。1931年からはBBWAAによる現在の制度がスタートしました。

その他の表彰形式

MVPはシーズン中だけでなく、ワールドシリーズやリーグチャンピオンシップシリーズでも選出される「シリーズMVP」、さらにはオールスターゲームにおいてもMVPが存在します。オールスターゲームMVPは1962年に設立され、その後は通常、勝利したチームから選ばれることが多いですが、特例として敗北チームから選ばれることもあります。

全米野球記者協会によるMVP授賞のプロセスは、野球ファンにとって非常に注目の的であり、選手のパフォーマンスを記録する大切な文化として広がっています。この賞を受賞することは、選手としてのキャリアにおいて大きな意味を持つと同時に、その年のMLBのストーリーに深く結びついています。

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